(2020.06.18)
6月20日は、国連が定めた世界難民の日(World Refugee Day)です。迫害や紛争等のために他国へ逃れた人々(難民)、国内の別の地域で避難生活を送る人々(国内避難民)の数は約7,080万人*を記録し、過去最多を更新し続けています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によれば、約2,590万人にものぼる難民の半数は18歳未満の子どもで、138,600人 の子どもたちが避難の途中で保護者とはぐれています 。
*UNHCR Global Trends 2018
命からがら逃げることができたとしても、避難先での生活は過酷です。食べる物、住む場所、着替える服がありません。世界各地にある難民キャンプでは、国連機関やNGO等が食糧やテントをはじめ医療や教育等の支援をしていますが、住み慣れた家や土地でのそれとはまったく違う暮らし、終わりの見えない状況に、将来への希望を失う人も少なくありません。
ただでさえ極限の状況で生きる難民・避難民に、今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)というさらなる脅威が襲いかかっています。医療へのアクセスが限られ、狭い場所で密集して暮らさざるを得ない人々にとって、COVID-19は見えない大きな敵です。
「私の心は血を流しています。子どもたちの安全が心配で...」と話すのは、南スーダンの首都ジュバにある国内避難民キャンプで暮らすハナンさんです。「新型コロナウイルスが、私から子どもを引き離すのではないかと心配でたまりません」
また、2人の子どもを持つサラさんは、COVID-19のまん延により家族の生命線である食糧配布が途絶えるのではないかと心配しています。「私の1歳の息子は、重度の栄養不良から回復したばかりです。外出禁止措置がとられると食糧の調達ができないので、息子はまた栄養不良になるかもしれません」と言います。
ワールド・ビジョンのアドボカシー(政策提言)を担当するグローバル・ディレクター、デイナ・ブズセアはこう述べます。
「世界難民の日を迎えるにあたり、家を追われた多くの子どもたちが直面している厳しい現実に立ち向かうことが極めて重要です。これは、非常に深刻な危機なのです。子どもたちはお腹を空かせ、その多くは親ともはぐれて、虐待や搾取のリスクに晒されています。ワールド・ビジョンをはじめとした援助機関は、このような子どもたちやぜい弱な家族を守るためにCOVID-19と闘っていますが、私たちだけでは難しい状況です。国際社会の関心と資金援助がより一層重要です」
新型コロナウイルス感染症から、難民の子どもたちの命と未来を守るため、難民支援募金にご協力ください。