【ウクライナ危機】1万3,000人を超える難民・避難民に支援を届けました

(2022.3.29)



1カ月でウクライナの子どもたちの半数以上が家を追われています

3月26日現在、380万人の人々がウクライナから近隣国のポーランド、ルーマニア、モルドバ等に逃れました。混迷する状況の中で正確な集計は困難ですが、そのうち180万人が子どもたちとみられています。ウクライナ国内で避難を余儀なくされている子どもたち250万人とあわせて、紛争によりわずか1カ月の間に、実に430万人の子どもたちが家を追われました。その数は、ウクライナの子どもたち750万人の半数以上にのぼります。


子どもたちが直面するリスクと保護の必要

ウクライナとルーマニアの国境にて
ウクライナとルーマニアの国境にて

難民危機の規模の大きさの前に見過ごされがちですが、子どもたちを取り巻くもう一つの危機的状況があります。保護者に伴われずにひとりで移動しており、虐待や人身取引のリスクに直面している子どもたちの存在です。2月24日~3月17日の間に、ウクライナからルーマニアへの国境をひとりで越えた子どもの数は、特定されただけでも500人以上にのぼりました。
3月18日に国際連合人道問題調整事務所UNOCHA)が開催したウクライナ危機対応の調整会議において、ワールド・ビジョンは、ウクライナの子どもたちが、国内に留まっている、移動している、あるいは近隣国で避難生活を送っていようとも、保護される必要があり、弱い立場にある少女と少年を特定し登録する仕組みづくりと、また、必要な対応がなされるよう、参加国とパートナー団体に訴えました。




子ども5,734人を含む1万3,874人のウクライナの人々に支援を届けました



【各国での活動状況】

  • ウクライナ国内:人々の避難先となっている病院に食料を供給、また、3月18日には4,000人の人々を対象として医療品などを支援しました。
  • ルーマニア:子どもたちの心のケアを目的として、子どもたちが安心・安全に過ごせる場所「チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)」をルーマニアのフシ、ヤシ、シレットの国境地域で3施設を設置し、今後さらに増設します。衣食住の緊急の必要に応えるための物資支援、移動のための支援を継続するのに加えて、大半は女性と子どもである避難民の人々が人身取引や性的搾取などのリスクから身を守るための啓発を行います。また、今後の支援の拠点となる倉庫を開設しました。
  • ジョージア:紛争開始時に同国内に滞在し帰国できないウクライナの人々約4,000人に対して、子どもたちの教育継続支援を含むサポートを行っています。
  • モルドバ:ウクライナからの避難民と受け入れ家庭を対象に水・食料、衛生用品の支援を行うため、パートナー団体との協定を結びました。
 チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)の様子
チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)の様子

【これまでの支援の成果】

  • 食料を届けた人の数:6,430人
  • 届けた食料の総量:9.1トン
  • 届けたヒーターの数:173点
  • 支援した避難用具の数:227点
  • 支援した一時避難所(光熱費支援など)の利用者数:3,806人
  • 「子どもの保護」プログラムを通じて支援した子どもの数:195人
  • 輸送手段を支援した人の数:140人
  • 衛生用品キットを届けた人の数:4,913人 など
ドイツにある拠点から物資輸送の準備をしている様子。皆さんの日頃のご支援のおかげで迅速に対応することができます

ドイツにある拠点から物資輸送の準備をしている様子。皆さまの日頃のご支援のおかげで迅速に対応することができます