「持続可能な開発目標(SDGs)」とは?

(2015.11.18)

誰も取り残さない!世界が目指す新しい目標

エチオピアの子どもたち

2015年は、子どもたちの未来にとって大きな節目の年。9月の国連総会で、「持続可能な開発目標」が採択されたのです。しかし、この目標について知る人は、あまり多くありません。そこで、子どもたちの未来に直結する大切なこの目標について、分かりやすく解説します。

「持続可能な開発目標(SDGs)」って何?

国際社会が2030年までに達成すべきゴールを定めたもので、Sustainable Development Goalsを略してSDGsとも呼ばれています。9月の国連総会で採択されました。「あらゆる形態の貧困の解消」「飢餓の解消」「質の高い教育の完全普及と生涯にわたって学習できる機会の向上」など、17の目標が設定されています。「誰も取り残さない」ことを掲げていること、野心的な目標を含んでいること、途上国だけでなく先進国も対象としていることなどが特徴です。

2001~15年までは、「ミレニアム開発目標(MDGs)」という、8つの目標を設定していました。国際社会が努力した結果、実際に5歳未満の子どもや妊産婦の死亡率が大きく改善したのです!しかし、目指していた数値には届かず、目標はSDGsに引き継がれました。

定期的な身体測定により栄養不良の子どもが10年前に比べて16%も減少(ベトナム)

なぜSDGsは子どもたちにとって大切なの?

社会の中で、子どもは弱い存在です。過去、子どもたちの声が世界のリーダーに届くことはほとんどありませんでした。しかしSDGsが決定される過程では、様々な環境に生きる子どもたちの声がヒアリングされ、そして目標に反映されました。

これは、国際社会が子どもを重要な存在として認めたということです。すべての子どもたちが、貧困や飢餓から解放され、健康で、平等に教育を受けることができ、安全に暮らすことができれば、子どもたちが生きる未来はより良いものになるのです。

シリア難民の少女。SDGsは、達成の過程で「誰も取り残さない」ことを目指します

ワールド・ビジョンはSDGsにどう関係しているの?

SDGsをまとめる過程で、目標の中心に子どもたちが据えられることを目指して、市民社会や政府・国連機関へ働きかけました。

特にMDGsからの残された課題である、乳幼児死亡率の削減、栄養不良の改善、子どもに対する暴力撤廃などがSDGsのゴールに採択されるよう訴え続け、実際に採択されるに至りました。今後は、これらの目標が少しでも実現に近づくよう、戦略を立てて活動を続けます。

MDGs達成に際し、「5歳未満の子どもの死亡率を下げよう!」と訴えるキャンペーン「命の木プロジェクト」を実施。皆さまからの賛同の声と政策提言書を、国連総会に臨む日本の政府代表(中央)に届けました(2014年9月)

私たちにできることはあるの?

世界3位の経済大国に住む私たちと、例えば、乳児死亡率ワースト1位のシエラレオネに住む人々の生活はまったく違います。その違いを知ること、他人に話すこと、イベントに参加することなど、日本に住む私たちが世界の問題について少しずつ興味・行動の範囲を広げていくことが、SDGs達成につながります。

2030年、子どもたちの瞳にうつる世界~柴田スタッフの思い~


「娘と同じ年齢の女の子のチャイルド・スポンサーです。9月、個人訪問でインドの支援地域を訪れた時、彼女が暮らす厳しい環境と激しい格差を目の当たりにしました。一方、日本においても確実に格差は広がっています。

SDGsが達成期限を迎える2030年には、チャイルドも娘も成人しています。彼女たちの瞳にうつる世界が、誰も取り残さない世界になっているよう願いつつ、SDGs達成に向けアドボカシーを続けたいと思っています」(アドボカシーチーム:柴田)

インドの子どもたちと柴田スタッフ

関連ページ

「持続可能な開発目標(SDGs)」とは? トップに戻る