インドネシア共和国、トウナ地域の支援が終了を迎えました

(2021.10.5)

チャイルド・スポンサーシップを通して2009年から13年間ご支援いただいてきたインドネシアのトウナ地域開発プログラムは、当初の計画を達成し、2021年9月末日をもってプログラム終了を迎えました。

皆さまのご支援により、地域が変わり、子どもたちが「豊かないのち」を生きられるようになりました。
心からの感謝とともに、地域での活動をご報告いたします。

子どもの保護:子どもたちが安心して暮らせる地域へ

支援当初、多くの地域住民が子どもの保護や権利について知りませんでした。また、多くの世帯が貧困で日々の生活に精一杯だったため、子どもたちに関心を持つ余裕すらありませんでした。そのため、半数以上の子どもが出生証明書を持っておらず、行政サービスを受けられませんでした。育児の知識も不足していたため、99.7%の保護者がしつけのために体罰を行っていました。

支援を通じ、地域住民に子どもの保護や権利に関する研修を行いました。また保護者は、子どもの権利を尊重した子育てや出生証明書の重要性も学びました。現在では地域住民が主体となって活動し、虐待や早婚など子どもの権利や保護に関わる問題が発生した際に対応できるようになりました。子どもたちも、子どもクラブや子どもフォーラムを通じ、ライフ・スキル*やリーダーシップを身につけ、地域で子どもたちが抱えている課題について声を上げられるようになっています。これからは、子どもたちも地域の一員として、子どもに優しい地域づくりを担っていきます。

* 問題解決、対人関係、意思決定、計画性など、生きていく上で必要な知識・技術

子どもクラブで楽しみながら子どもの権利や保護について学んでいる子どもたち

経済開発:家族のニーズに応えることができるようになりました!

トウナ地域は国内でも貧困率が高く、低所得者層が多い地域でした。多くの住民の収入源である農業の生産性は低く、収穫物の売買に関する知識も不十分だったため、収穫物は中間業者に低価格で買い取られていました。貯蓄の習慣もなかったため、高利貸しに依存し、子どもの基本的なニーズ(食、医療、教育)を満たせる世帯は36%のみで、特に教育は後回しにされていました。

支援を通じ、有機栽培やマーケティングの研修を行い、多様な野菜を育て、適正な値段で売れるようになりました。国の有機認証機関によって認証を受けた有機栽培グループもあります。また、財政管理の研修や貯蓄グループの形成により、グループの現在の平均貯蓄額は約4 万3,000 米ドルになりました。

また、新型コロナウイルス感染症拡大による市場閉鎖などで一時期収入が得られなくなった際にも、貯蓄から教育費や生活費を捻出したり、困っている世帯に貸付をし助け合ったりできています。今では収入を維持し、子どもたちのニーズに応えられる世帯が増え、子どもたちは安心して生活し、勉強を続けられるようになりました。

支援地域から感謝の動画メッセージが届いています!

支援を受けたチャイルドの声

「支援を受ける前の母は、食器棚にわずかなお金をしまうだけで、計画的に貯蓄をする習慣はありませんでした。ご支援により、貯蓄と教育の重要性を学んだ母は、積極的に貯蓄をし、家の改修や私や兄のための教育費にお金を回せるようになりました。

おかげで、兄は大学を卒業することができ、両親がやっている農業では必要な器具などを買えるようになりました。

私は今、高校に通うことができています。今ではコミュニティから、17人も中学や高校に進学しています。ご支援くださったスポンサーの皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!」

トウナ地域で育ったラトナちゃん(16歳)「貯蓄で家族や地域を支えている母を誇りに思います」

さらに詳しくトウナ地域開発プログラム終了報告書を読むにはこちら

インドネシア:子どもたちはこんな支援地域で暮らしています

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