(2015.07.24)
ネパールを襲ったマグニチュード7.8の巨大地震から、7月25日で3カ月が経過します。ネパール政府の発表によると、この地震による死者は8,857人、けが人は22,309人、全壊した家屋は602,257にも上り、ユニセフによると、少なくとも95万人の子どもたちが支援を必要としている状況に置かれています。
ワールド・ビジョンは、大地震の直後から緊急支援を開始しました。水、食料、テント、仮設住居の資材、台所用品、衛生用品、ソーラーランプ等の物資を届けたほか、子どもたちを中心に据えた人道支援を実施してきました。子どもたちが安全かつ自由に遊べる場所「チャイルド・フレンドリー・スペース」を35カ所に設置し、3,500人を超える子どもたちが利用しました。また、25カ所に設置した仮設校舎では、現在2,000人近くの子どもたちが勉強を続けています。このように、3カ月の間に、最も被害の大きかった7つの地域で、13万人を超える人々や子どもたちに支援を届けました。
14歳のスシーラさんは、地震が起きた時、飼っている牛に食べさせるため、家から1時間ほど離れた草地にいました。大きな揺れを感じ、走って家に戻ったスシーラさん。「お母さんを呼んでも返事がなくて、恐怖を感じました。崩れた家の中に取り残されていると思ったのです」幸運にも、お母さんは屋外に居て無事でした。
細々と暮らしていた生活は、地震後、より困難になりました。家を失ったスシーラさんは、「我が家で過ごした時間のすべてが恋しいです」と語ります。少しずつ支援物資が届き始め、一家は、防水シートやトタンで雨風をしのげる仮設住居を建てることができました。「私たちはすべてを失ったけれど、一番大切なものは残りました。それは、家族です」目の前にはまだ不確かな状況が広がっているものの、スシーラさんはより良い未来が待っていることを信じています。
~子どもたちの声をお届けします~
【地震の時を振り返って】
スシーラさん(14歳)
「その日、朝から牛の世話をしてたら、地震が起きたの」
アヌラジ君(12歳)
「家が揺れて、壊れ始めたんだ。みんな逃げ惑ってた」
スジータちゃん(9歳)
「とっても怖かった・・・」
プラティクチャちゃん(9歳)
「地震のあと、1カ月も水がなかったの。水を取りに歩かなきゃ行けなかったの」
プラモッド君(10歳)
「僕の教室の柱は突き出てしまって、転がってきた岩で椅子も壊れてたんだ」
【今の生活について】
プラモッド君(10歳)
「仮設の学校は、前よりも良いよ。竹でできた壁も気に入ってるし、ここにいるととても安全なんだ」
プラティクチャちゃん(9歳)
「ワールド・ビジョンが水道を作ってくれたから、今は飲み水があるの。村のみんなが使っているわ」
スシーラさん(14歳)
「家が出来て嬉しい。暑い太陽や激しい雨から守ってくれるから」
スジータちゃん(9歳)
「テントに居るのが好きなの。、蛇や虎や熊から私たちを守ってくれるから」
アヌラジ君(12歳)
「蚊よけネットのおかげで、もう蚊に悩まされることもなくなった。石けんも、体や洋服を洗うのに便利だよ」