(2015.10.20)
2015年10月より、ルワンダ共和国東部州にて、小規模農家および生産者グループ(農業組合)を対象とした、農作物の販売を支援する事業が開始しました。この事業は、国際協力機構(JICA)による市民参加協力事業の一つである草の根技術協力(パートナー型)の一環として、ルワンダ国東部州のキラムルジおよびルカラ地域で行われます。
いずれの地域でも、チャイルド・スポンサーシップによる地域開発プログラム(ADP)を実施しており、新事業との相乗効果が期待できます。
ルワンダは、1994年に起きたジェノサイド(大量虐殺)という悲劇を乗り越え、近年著しい経済成長を遂げてきました。2001~2014年のGDP成長率は年平均9%に達し、首都には高層ビルが立ち並ぶようになりました。
しかし地方の農村部に目を向けると、基本的なインフラ(道路、水、電気など)が未整備のところも多く、世界銀行によると1日当たり1.25米ドルで暮らす人々が全人口の63%(2011年)を占めています。
国民の9割が従事するといわれる農業(畜産業も含む)における農家の生計向上は、こうした地方における貧困の改善に非常に重要な役割を果たします。
今回の事業では、農村で自給自足から次のステップに進みたいと考えている小規模農家と、彼ら自身が組織する生産者グループ(農業組合)を対象に支援を行います。彼らに市場調査やトレーニングの機会を提供し、農産物をより高い価格で販売するために何ができるかを、ともに考え、そのために必要なサポートを行います。生産者グループには女性も多く、ジェンダーの視点を持って活動することは不可欠です。
また農家だけでなく、現地の政府関係者、JICA、農産物を買い付けに来るビジネスマンなど、多くの関係者と連携しながら活動を進めることになります。
農家がより多くの収入を手にすることができれば、各世帯、特に子どもたちの生活環境が改善することが期待できます。農業に自信を持ち、農産物の販売を通じて喜びを感じることができるよう、ルワンダの農家と一緒に取り組んでいきます。
■ ワールド・ビジョン・ジャパンが実施する政府・国連等との連携事業