ワールド・ビジョンが実践している、ハード、ソフト両面の「水」「衛生」支援について「第1回 私の村に「水」が来た日~バイオレットのストーリー~」に引き続きご報告します。
世界では7億8000万人が安全な水を継続的に利用できない状態にあります。水源が近くにない、湧水を家畜と共有しているため水が汚染されるなどの問題があるためです。
井戸などの設備を作ればすべての問題が解決するわけではありません。コミュニティが施設を運用、修繕するためのノウハウを同時に育てることが「水」支援の課題です。
実りのある支援のためには、地域の特性や人々の生活習慣に配慮した設備の設置が必要です。
事業の実施にあたり、まず住民との信頼関係の構築、そして、「水」をめぐる問題の解決に向けた住民との協議を重ねます。
時が経っても確実に設備を利用し続けるためには、住民の主体的な関わりが不可欠です。
住民の中から「水管理委員会」を選出し、人々から小額の料金を徴収し、設備の修繕費として利用する方法が多くの支援地域で定着しつつあります。
2014年に行われた調査によると、この方法で管理されている井戸は、そうでない井戸に比べ活用され続ける割合が4倍高いという結果が出ています。住民の参加を大切にする支援が、施設活用の持続性を高めています。