地面から水が噴き上がり、「水が出た!」と喜ぶザンビアのバイオレットちゃん。歓喜の写真は、水の貴重さを物語っています。
安全な水が手に入らないため、また、手洗いやトイレ使用の習慣が定着していないために下痢が原因で命を落とす子どもたち。水汲みに何時間もかかるため、学校へ通えない子どもたち。
安全な水と衛生的な環境が実現すれば、子どもたちの健康が守られ、学校へ通うための時間も確保できるようになります。「水」と「衛生」の支援で重要なのは、地域の人にその大切さを理解してもらい、参加を得ながら進めること。完成した井戸やトイレが、住民自身によって大切に使い続けられるためにも不可欠です。
ワールド・ビジョンが実践している、ハード、ソフト両面の「水」「衛生」支援について3回の連載でご報告します。
■バイオレットの日課
「私の名前はバイオレット。10歳でザンビアに住んでいます。私は日が昇る前に家を出て、3.5キロ先にある井戸に水を汲みに行きます。
村に井戸がないので何度も往復します。そのため学校には行けません。長く歩くので、学校のことを夢見るようにしています。そうすると時間が過ぎるのが早い気がするからです。夢はいつか医者になること」
■これから学校に行けるんだよ
「昨年、ワールド・ビジョンが村に来てくれました。初めて見る大きな大きなトラックも一緒に来ました。ゴリゴリゴリっと大きな音がして、土の中から水が嘘のようにどんどん出てきて驚いたわ!
ワールド・ビジョンのスタッフは、『もう水の心配はないんだよ。これからは学校に行けるんだよ』と言ってくれました」
■「水」が「希望」となった
「村に井戸ができてから、井戸が近くにあるので水汲みが簡単になりました。水汲みにかけていた時間がなくなり、その時間で私は学校に行けるようになりました」
「水」はバイオレットちゃんに「時間」を与えました。ある人には「健康」を与えて、ある人には仕事を与えました。そして「水」はこの村の「希望」になりました。
■「水」がもたらすもの
世界には今もなお、安全な水にアクセスできない人が7億8000万人、トイレが使えない状況にいる人が25億人います。ワールド・ビジョンはこの状況を改善するため、皆さまからの募金を活かし、世界中で地域の人々とともに成果が長続きする支援を行っています。