【台湾花蓮地震】発生から3カ月 被災した子どもたち家族への支援を継続しています
(2024.07.17)
2024年4月3日に台湾の花蓮県の南南東25キロの地点でマグニチュード7.2の地震が発生してから3カ月以上が経ちました。台湾全国で17名が死亡、負傷者は1,140人にのぼり、被害は台湾全土におよんでいます。ワールド・ビジョン・台湾(WVT)が発災後に花蓮県の940世帯を訪問したところ、約170世帯の家屋が全壊、半壊、または家具や電化製品が破損していることが分かりました。
WVTは発災直後から政府と協力し、地震の影響を受けた弱い立場にある子どもたちと家族に緊急に必要な支援を行いました。現在も中長期的な復旧・復興にむけて、被災された子どもたちと家族に寄り添い、必要な支援を続けています。
これまでの支援活動状況と、今後の計画をお伝えします。
*個人情報保護の観点より、記事中に掲載の写真は一部をぼかす加工をしてあります。名前も仮名を使用しています。
【第1段階】緊急支援(2024年4月):被害を受けた子どもたちと家族への支援
地震発生直後に被災地に入ってニーズ調査を行い、緊急支援チームを立ち上げて迅速な支援活動を行いました。
- 政府や関係団体と連携して活動するための災害対策指令センターを設置
- 子どもが安心・安全に過ごせる場所(チャイルド・フレンドリー・スペース:CFS)を開設:80人を支援
- 障害をもつ家族や高齢者がいる家庭を訪問し、身の安全と家屋の被害状況を確認
【第2段階】短期復旧・復興(2024年5-6月):地域社会や住宅の再建
以下4つの分野で170世帯に支援しました:
- 心の応急手当、「心理的応急処置(PFA)」の研修を実施
- 被害を受けた世帯の家屋修理、家具・電化製品破損への支援
- 子どもの学習支援
- 被災者の生活支援
【第3段階】中長期復旧・復興(2024年7月-2025年9月):被災者へのケアと家族の復興
以下4つの分野で3,800人の子ども、2,306世帯へ支援予定です:
- 心のケアグループを設置し、被災経験を通して傷ついた心の回復を目指す
- 被災した家庭と子どもたちへの生活支援や学費の補助を行う
- 放課後の子どもたち、青少年育成グループ、介護者技能研修グループなどに対する心のケアの研修を実施する
- コミュニティの防災力と回復力を高める(家庭や地域での防災訓練実施や、非常用持ち出し袋の準備を支援する)
- スタッフがある家庭を訪問したところ、地震の被害で家の天井が崩れていたため、家の修繕費を補助し、再建を支援することにしました
「愛のこもったご支援に感謝します」
花蓮地震によって被災したシャオホイさんの家では、冷蔵庫とガスコンロが破損してしまいました。シャオホイさんの母親は体調を崩し、パートとしての仕事しかできない状況です。ワールド・ビジョン・台湾のスタッフはシャオホイさんの家庭を訪問してこうした状況を知り、冷蔵庫とガスコンロの購入に加えて、ほかにも必要な物資の支援を行いました。
シャオホイさんは、感謝の気持ちをこう語ってくれました:
「愛のこもったご支援に感謝します。今後、地域社会に恩返しができるよう、また困っている人を助けることができるよう、勉強を一生懸命がんばっていきたいと思います」
- 支援に感謝するシャオホイさんの家族(右端に写っている女性)
「日本の皆さま、ありがとうございます!」
ワールド・ビジョン・ジャパンでは4月8日より「台湾地震緊急支援募金」の受付を開始しました。温かい思いで寄付をお寄せいただき、ありがとうございました。ワールド・ビジョン・台湾の公式SNSでは「日本の皆さまからの応援を励みに、私たちは勇敢に復興への道を進みます」と感謝のメッセージが発信されています(写真に写っているのはWVJ事務局長の木内真理子。台湾から送られた感謝状を手にしています)。
- ワールド・ビジョン・台湾の公式Instagramアカウントより