(2024.06.03)
国の人口の約 4 割を占めるマヤ系先住民は、スペインによる植民地時代に土地を奪われ、暮らしづらい山岳地帯などへと追いやられたという経緯があります。特にマヤ系ケクチ族の人々が暮らすチセク地域は、住民の大多数が国の公用語であるスペイン語を話せないため、教育や就業の機会が制限され、貧困から抜け出すことが非常に難しいという状況に置かれています。
首都グアテマラシティから、約 300 キロ、車で約 8 時間の場所にあるチセク地域。プログラムマネージャーを務めるアルマ・ガルサは WV の支援を受けた元チャイルドで、地域支援の大切さを熟知しています。彼女とともに働くスタッフは、スペイン語とマヤの先住民言語であるケクチ語のバイリンガルです。若い世代から地域の開発に長年携わってきた経験豊富なベテランまで、熱意を持った人材が揃っています。
チセク地域にある別のコミュニティ、カンデラリア・ヤリカ地区を訪問しました。子どもたちは色鮮やかな民族衣装を着て、たくさんの歌や踊りを披露してくれました。
ほとんどの家庭には電気や水道が通っていないため、湧き水や貯めた雨水を生活用水・飲用水として使っており、下痢や食中毒を引き起こす原因となっています。家の中では土がむき出しの床で火を起こして料理をする家庭も多く、衛生面・安全面の懸念があります。
日本のご支援者からの手紙を受け取ったハリー ダニエルくん。書かれていることを説明し、手紙を渡すと、少しはにかみながら「ありがとう」と言ってくれました。
手紙を受け取り、笑顔のチャイルドと神田スタッフ。
「支援地域を訪問することは、現地の課題や活動の確認に加えて、人々が大切にする伝統や文化を間近で見聞きし、対話をする貴重な機会です。無邪気に走り回る子どもたちを見ながら、この子たちが希望を持って豊かな人生を歩むために、何ができるだろうと、改めて考えさせられました。"チセク地域のために働くことは、私にとって単なる仕事以上の意味があります"と語っていた頼もしいスタッフたちとの対話を経て、これから日本の皆さまと一緒に地域が変化していく様子を見ていくことが、一層楽しみになりました」
2日間の出張の全容はこちらの動画からご覧ください。