2011.06.06
5月31日(火)、歌手・女優・版画家として活躍され、1994年からワールド・ビジョン・ジャパン(以下、WVJ)の親善大使として長きにわたりご協力をいただいているジュディ・オングさんをお迎えして、ワールド・ビジョン・カフェを開催しました。当日は181名の方々が参加してくださいました。
今回のテーマは、東日本大震災の復興支援活動。
ジュディさんと事務局長との対談形式で、写真と動画を交えながら報告しました。
3月11日の震災発生直後、ジュディさんも、電話が通じず、交通が麻痺してしまった状況を体験。通常の仕事も次から次へとキャンセルになる中、自分には何ができるかを考えました。時間ができ、歌が歌える、絵がかける。今こそみんなのために「何か役に立ちたい」と思い立ち、台湾の駐日代表に、「募金番組の計画はないですか」と連絡したことで、3月17・18日の2日にわたって台湾の募金TV番組に出演することになりました。台湾滞在中に俳優のジャッキー・チェンさんから連絡があり、香港の募金TV番組にも出演。被災した人々のことを想いながら、緊急復興支援に必要な募金活動のために精力的に活動しました。
また、3万着の衣類を寄付したいというアパレル企業NETより連絡を受けたジュディさんは、その申し出をWVJに連絡して支援の架け橋となりました。台湾から日本まで、コンテナ2つ分という大量の衣類を運搬するにあたっては、ジュディさんの働きかけにより、世界的な運送会社であるエバーグリーンマリーン(Ever Green Marine)の全面的な協力を得ることができました。気仙沼の避難所を訪れた際には、実際の配布作業にも加わりました。
5月18~20日に宮城県の被災地を訪問しました。気仙沼の避難所で「魅せられて」を披露すると、会場は大歓声に包まれ、被災者の方々も多くの笑顔を見せてくださいました。
南三陸町では、台湾の小学4年生が書いてくれた応援メッセージを携えて戸倉小・中学校を訪ねました。この学校は津波で流されてしまったため、現在は宮城県登米市にある廃校を使用しています。子どもたちは各避難所などからWVJが運行するスクールバスで通っています。
被災地訪問中に子どもたちや多くの方々と交流のときを持ったジュディさんは、次のように語りました。
「一番嬉しかったのは、避難所の方が『夢を持てなかったけれど夢をもう一回持とう』とおっしゃってくださったこと」
「子どもたちがパワフルなことや笑顔を見せてくれることに救われました。子どもたちがこの現実を受け止めていることを感じ、すごいことだなと思いました。大変な経験だったけれども、全世界から入ってくる愛情などに感謝と友情も感じて欲しいなと思っています」
「台湾の子どもたちのメッセージの中に『今回、大変でした。家も家族もなくなったと思っているかもしれません。でもあなたのお家はこの地球ですし、私たちはあなたの家族で、いつもそばにいます。それを信じていてください。』とありました。
どこかの哲学者の言葉かと驚きましたが、子どもたち同士の心の触れ合いを感じました」
「子どもたちの前で『みんなのために頑張っているからね』と言ったら、一番前に座っていた男の子から『ぼくたちだって頑張っているんだよ』と言われて、心が痛くなりました。『がんばれ、がんばれ』と言い過ぎないようにしようと思いました」
次に片山事務局長より、WVJのこれまでの支援活動について次のように報告しました。
発生から90日間を第1フェーズとして計画を策定。水や食料、下着をはじめとした衣類、消毒用アルコールなどが入った衛生キットを配布しました。
現在は、仮設住宅入居用に100種類近い生活用品の支援を行っています。
子どもの必要に応える支援としては、被災した子どもたちが心身ともに安心・安全に過ごせる場所「チャイルド・フレンドリースペース(CFS)」を学校などと連携をしながら運営しています。また、学校の新学期に合わせて学用品などの支給を行い、避難所や仮設住宅を回るスクールバスの運行も行っています。
今後は、支援地に高齢者の方が多くいらっしゃることもあり、温かい食事の炊き出しや、給食センターの支援なども行っていく予定ですが、第2フェーズの支援計画策定に向けて現場のニーズを詳細に理解するため、現在、調査を行っています。
最後に、ジュディさんから次のようなメッセージをいただきました。
「避難所に行った時、水が出ないところなのに、被災した方から「頑張ってね」とお茶や牛乳をいただきました。思いやりが深く、協力をすることを良く知っていらっしゃって、私もますます頑張らねばならないと思いました。むしろ大きなことを教えてくださってありがとう、という気持ちになりました。」
「ぜひ、皆さんにもチャイルド・スポンサーシップに参加していただきたいと思っています。チャイルド・スポンサーシップの支援を受けた子どもは大人になって、他の人を助けると思います。皆さんひとりひとりがチャイルド・スポンサーになってくださることで、そのような輪が広がっていくと思います。
皆さま、引き続きご支援をよろしくお願いします。」
・ 台湾から多額の寄付があったのはニュースで見て知っていましたが、ジュディさんの生の声を聞けてよかったです。
・ とくに台湾の子どものメッセージは涙が出ました。子どもと子どもが支えあうという関係もあるんですね。
・東日本震災活動の具体的な内容や状況がわかり、良かったです。自分自身も、今できること、やるべき事を改めて考える機会にもなりました。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!