G7広島サミット 活動報告

(2023.05.24)


ワールド・ビジョンのスタッフも広島に入りました


5月18日~21日の3日間広島で開催されたG7広島サミットに際し、ワールド・ビジョンから以下4名のスタッフが現地入りし、「国際メディアセンター:IMC」ならびに広島市青少年センター内の「NGOスペース」で活動を行いました。

  • ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)事務局長 木内真理子
  • WVJ 広報担当 德永美能里
  • WVドイツ 保健、移民・難民問題専門アドボカシー担当 マーウィン・マイヤー
  • WVドイツ 保健・栄養、食料安全保障専門アドボカシー担当 フィオナ・ウエレンダール
NGO活動スペースにて。WVJ事務局長の木内とWVドイツのマイヤー
国際メディアセンターにて。右からWVドイツのウエレンダール、WVJの德永、WVドイツのマイヤー
動画撮影の様子

「C7」の一員として市民の声を発信しました

エンゲージメントグループ共同記者会見でC7代表として登壇したWVJ事務局長木内(写真右から3人目)

G7エンゲージメントグループの一つであるC7(Civil7/市民7)の日本側実行団体となる「G7市民社会コアリション2023」に、WVJは幹事団体として参画し、WVJ木内事務局長は、ひろしまNPOセンター専務理事・事務局長の松原裕樹氏とともに、共同代表を務めています。サミット会期中は多数の記者会見に登壇し、取材を受けました。

サミット前日の18日午後、WVJ木内事務局長は他のエンゲージメントグループとの共同記者会見に登壇しました。記者会見には、Civil(市民社会、C7)、Pride(LGBTQ+、P7)、Think Tank(シンクタンク、T7)、Women(女性、W7)、Youth(若者、Y7)5グループ代表が広島の会場で登壇し、Business(ビジネス、B7)、Labor(労働組合、L7)、Science(科学、S7)3グループ代表がビデオメッセージを寄せました。
共同記者会見開催報告(C7)はこちら



会期中、多くの取材を受けました。崇徳高校新聞部の皆さんは、市民社会の全プログラムを熱心に取材してくださり、核心をついた本質的で未来志向の質問に、登壇者が圧倒される場面もしばしばでした。
崇徳高等学校新聞部の取材を受けるWVJ事務局長木内


WVJ事務局長の木内は、サミット初日19日と2日目20日に開催されたC7定例記者会見にはモデレーターとして登壇しました。質疑応答では、急遽決まったウクライナのゼレンスキー大統領訪日に関する質問なども出ました。
C7定例記者会見第1日目(「公正な正義への移行」「国際保健」ワーキンググループより)
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C7定例記者会見第2日目(「気候・環境正義」「しなやかで開かれた社会」ワーキンググループより)
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サミット最終日には、G7広島サミットの成果に対する市民社会としての評価を発表する記者会見を行いました。首脳宣言が予想に反して最終日でなく2日目に発表されたことから、会見も午後の開催予定を急遽前倒しし、日本語での記者会見を朝、英語での記者会見を午後に開催しました。評価は6つの分野別課題と全体について、「晴れ」「曇り時々晴れ」「曇り」「雨」「土砂降り」の5段階で評価し、「核廃絶」雨/「気候・環境」曇り/「経済」土砂降り/「国際保健」雨/「人道支援」曇り/「しなやかで開かれた社会」土砂降り/「広島市民社会としての評価」曇り時々晴れ/「全体総括」雨 との評価を発表しました。WVJ事務局長の木内はC7共同代表として全体総括を発表しました)
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写真:C7としてG7広島サミットの成果を評価「G7広島サミットは「雨」せめて「曇り空」に、願わくば「晴れ」に」。前列左から2人目 WVJ事務長木内(写真提供:SDGs市民社会ネットワーク)
人道支援と紛争に関する記者会見に登壇したWVドイツのマイヤースタッフ(中央)。WVJ德永スタッフが司会を務めました
誰ひとり取り残されない世界の実現と、市民一人ひとりの想い、平和への願いをこめて、全国から広島で折り鶴を届ける「SDGs折り鶴プロジェクト」のアクションに参加しました。前列左WVJ事務局長木内(写真提供:SDGs市民社会ネットワーク)
C7メンバーとともに、被爆者で反核兵器活動家のサーロー節子さんを囲んで

G7広島サミットの成果~美しい言葉だけでは子どもたちは救えません

G7広島サミットでは、G7広島首脳コミュニケ(首脳宣言)と、分野別の個別声明、関連文書が成果文書として採択されました。


ワールド・ビジョンが特に注目していた「食料危機」を食い止めるための対応に関しては、世界で8億2800万人が飢餓に直面し、2億5800万人が緊急の食料支援を必要する状況において、「食料安全保障」が優先課題としてG7サミットで協議されたこと、その対応へのコミットメントが示されたことは希望ですが、美しい言葉だけでは子どもたちを救うことができません。

ワールド・ビジョン・ドイツで食料・栄養問題アドボカシーを担当するフィオナ・ウエレンダールスタッフは以下のように述べます。「まず、今回示された言葉が行動を伴うことを期待します。G7には、最も適切で緊急に必要とされる対策を実施する力があります。」「広島でG7首脳は食料安全保障を主要議題として話し合いました。G7は「強靭なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明」を発表しました。これは重要な一歩であり、飢餓と貧困に苦しむ人々、特に子どもたちに速やかに支援が届く希望をもたらすものです」「長期的に飢餓を解決するためには、より多くの対策がなされる必要があります。食料不足に速やかに前もって対応することができるよう、早期警報システムへの具体的な投資が必要です。また、子どもの栄養改善への対応、中でも、消耗症(急性栄養不良)を特定し治療するための取り組みへの投資を拡充する必要があります」

子どもたちの健やかな成長には栄養のある食事が不可欠です

一方、食料危機を含む人道危機に対して210億ドルの支援表明がなされました。ワールド・ビジョン・ジャパンも運営委員として参加する「教育協力に関わるNGOのネットワーク(JNNE)」では、紛争などによって教育がはばまれている世界各地の現状について関心を高めること、またG7各国に行動を促すことを目的として、2023年2月より「SDG4教育キャンペーン2023」を実施してきましたが、包摂的かつ衡平な質の高い教育の保障や国際的な基金への継続的支援にコミットしたことなどを歓迎する声明を発表しました。
声明を見る

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、世界のワールド・ビジョンのパートナーシップ、また、関係団体やネットワークと協力をして、表明された意志や約束が実行されるよう、働きかけを継続していきます。

ワールド・ビジョン・ジャパンスタッフの視点で「今」を発信しました

期間中はワールド・ビジョン・ジャパン公式ツイッターから情報を発信、また、最終日には広島にて3本のビデオレポートをアップしました。

WVJ事務局長木内真理子に聞く「市民社会としてどう総括しますか?」
WVドイツ保健・栄養専門アドボカシー担当フィオナ・ウエレンダールスタッフに聞く「子どもたちにとってのインパクトは?」
WVドイツ アドボカシー担当スタッフ、日本議長国G7/G20サミット4回目参加、マーウィン・マイヤースタッフに聞く