(2022.10.19)
2020年時点で、世界では、約1億6000万人の子どもたちが児童労働に従事しています。その数はおよそ子どもたちの10人に1人にあたります。*1
中米に位置するホンジュラス。政府や様々な関係諸機関の取り組みが進められていますが、現在も、5~14歳の子どもの9%が児童労働に従事しています。その約半分がコーヒー豆などを作る農業に従事しています。学齢期にあたる5~14歳の子どものうち学校に通えているのは87.9%で、7~14歳の子どもの6.2%は学校に通いながら仕事もしています。
ホンジュラス西部では、コーヒーの生産において児童労働が大きな課題となっています。ワールド・ビジョン(WV)はホンジュラスのコーヒー輸出業協会と、コーヒーメーカーであるジェイコブズ・ダウ・エグバーツ社と協力して、子どもの保護と健やかな成長を見守ることを目的とした施設(子どもセンター)を開設しました。
これらの施設は、インティブカ県、コパン県、サンタバルバラ県に開設されました。そして、もうすぐエル・パライソ県でも開設される予定です。児童労働の危険にさらされている、ぜい弱な立場に置かれている少年少女の児童労働を防ぐための有効な手段になっています。
「コーヒー産業における児童労働の防止」プロジェクトと、「暴力の防止」を目的とする専門的なプログラムは、WVホンジュラスが始めた取り組みです。地方自治体、コーヒー協同組合、コーヒー生産者、マーケティング担当者と協力して、子どもセンターに通う少年少女の知識、能力、技能を強化するための活動を展開しています。プロジェクトの目的は以下の3点です。
ワークショップの参加者には、アートの練習を続けるために必要なキットとディプロマ(修了証書)が贈られた
コーヒーを利用したアートに関するワークショップは、子どもセンターを利用している子どもたちを対象に開催されています。 この取り組みは、8~12歳の26人の少年少女のアート能力を強化することが期待されています。
「コーヒーで絵を描くことで児童労働を防ぐ」と名付けられたこのワークショップには、児童労働防止委員会のメンバーと子どもセンターの教師など様々な立場の人が参加しています。そのため、参加者はその後、コーヒー豆の収穫期に子どもセンターに通うほかの少年少女たちとともに、これらのアート活動を続けることができます。
ワークショップに参加した子どもたちは、鉛筆、絵の具、消しゴム、鉛筆削り、木製のイーゼル、水彩絵の具で絵を描くための紙、ブラシのセット、キャンバスなどのアート用品が入ったキットを受け取りました。
*1:ILO:2020 Child Labour Global Estimates