【ソマリア「飢きん宣言」から10年】40カ国以上で4,100万人超が餓死の一歩手前、求められる緊急対応

(2021.08.12)


2011年7月にソマリアの飢きんが公式に宣言されてから、10年が経過しました。この飢きんにより命を落とした人は26万人にのぼり、うち13万3,000人が子ども(その大半が5歳未満)と報告されています。*1

国際社会は、「このような悲劇を二度と繰り返さない」と決意表明しましたが、いま再び、世界40カ国以上で4,100万人を超える人々が命を脅かされる飢餓の危機に直面しています。世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、早急に世界規模の緊急対応が行われなければ、数百万人もの子どもたちが命を落とす可能性があると警告します。

飢えに苦しむ人の中で、すでに50万人以上が飢きんのような状況下(栄養不良が蔓延し、栄養価の高い十分な食料が手に入らず、人々が命を落とし始めた状態)で暮らしており、数千万人が飢餓(必要なエネルギーが摂取できていない状態)の危機に瀕しています。

支援で届けられた食糧を食べる子ども(ソマリア)
ワールド・ビジョン総裁/最高責任者のアンドリュー・モーリーは次のように述べます。「これは、子どもたちの危機です。2011年にソマリアで亡くなった人の半数は5歳以下の子どもで、今再び、数百万人もの少年と少女が餓死の瀬戸際まで追いやられていることには、胸が張り裂ける思いです」

モーリーは続けます。「飢餓は、子どもらしく過ごせる時間や家族の尊厳、そして神様が与えた可能性を、子どもたちから奪い取ります。今起きていることは、弁解の余地がない過ちです」

数百万人の子どもたちが、迅速な対応を必要としています。ワールド・ビジョンは、国際社会に協力を呼びかけるとともに、手遅れになる前に早急に支援を届けることを求めます。世界的な食糧危機は、紛争、気候変動、新型コロナウイルスによる経済的な影響等が複雑に絡み合ったものです。飢餓を回避するには、食糧援助を迅速に拡大しなければなりません。*2


*1  2011年から2012年のソマリアの飢きんは、2006年に総合的食糧安全保障レベル分類(略称IPC)のシステムが確立されて以来、最後となる大規模な飢きんでした。2012年2月に「飢きん宣言」が解除されるまでの間に26万人(うち半数が5歳未満の子ども)が亡くなりました。2011年7月20日に国際社会が正式に「飢きん宣言」を発表しましたが、それ以前にも多くの人が亡くなっており、その約半数は飢きんのために命を奪われたと推定されています。

*2  ワールド・ビジョンは、世界で起きているほとんどの飢餓の危機に対応しています。進行中の長期にわたる、ぜい弱な状況に対処するための支援活動、または食糧支援、栄養支援、生計支援に焦点を当てた開発支援を通じて、人びとのニーズに応えます。ワールド・ビジョンは、コンゴ民主共和国、アフガニスタン、エチオピア、南スーダン、スーダン、ウガンダ、ベネズエラなど、世界多数の国々で食糧支援プログラムを実施しています。難民、国内避難民、そして最もぜい弱な立場に置かれる人びとなどを対象に支援を届けています。

ワールド・ビジョンは、最大の支援協力パートナーである国連世界食糧計画(WFP)との連携支援を含む、支援活動を緊急に拡大していくことにコミットしています。


【ソマリア「飢きん宣言」から10年】40カ国以上で4,100万人超が餓死の一歩手前、求められる緊急対応 トップへ戻る