(2021.3.19)
ラオスでは初等教育の就学率は高いものの、学習環境と学習の成果において、国内での格差が生じています。特に少数民族が多く暮らす農村部では、教育インフラの乏しさに加えて、貧困や社会・文化的要因などにより、子どもたちが低学年で十分なリテラシー(読解力)を身に着けることが難しく、退学や非識字の課題につながっています。
ワールド・ビジョン・ジャパンが支援活動を行っているタパントン郡は、貧困ライン(1.9ドル/日)以下で暮らす世帯の割合が10~15%を占めている、ラオス国内でも貧困度の高い地域の一つです。少数民族のカタン族が多く暮らし、日常生活ではカタン語を用いています。多くの小学校で学習環境が整っておらず、親・保護者の教育への理解、家庭でのサポートも不十分です。小学校の授業はラオ語で行われていますが、このような背景からも、ラオ語を習得する壁は高く、高学年になる前に退学してしまう子どもたちが後を絶ちません。
「マイルストーン・プロジェクト」は、一口あたり100万円のご寄付を複数の方々(個人、グループ、企業など)からいただき、共同で一つの事業を実施するものです。共同で支援いただくことで、より規模の大きい事業を実施し、子どもたちの必要に応えることができます。
今回の「マイルストーン・プロジェクト」では、子どもたちの安全が脅かされているタパントン郡の小学校4校において、校舎建設/改修、校庭整備、遊具供与を行います。あわせて、同郡でワールド・ビジョン・ジャパンが実施している教育支援事業を通じて、子どもたちの読書活動、保護者への啓発、教員の研修などを実施します。子どもたちの学習環境の改善にソフト・ハードの両面から取り組み、学びを支え、ひいては退学率の減少・就学率の向上を目指します。
支援対象校の一例。老朽化が進み、
子どもたちの安全も脅かされています
【重要】今回のオンライン説明会は、Zoomを使って行います。お申込みくださった方に、イベント当日の16時ごろにメールでZoomのURLをご案内予定です。
Zoom利用時は、事前にアプリダウンロードをすませておいた方がスムーズです。PC、スマホどちらでもご参加いただけますが、PCやタブレット端末など、比較的大きい画面でご覧いただくことを想定した報告を予定しています。
Zoomの使い方
・Zoomヘルプセンター
・Zoomテストミーティング。マイクやチャットの操作練習ができます
登壇者:スピーカー 宮内繭子
支援事業部プログラム・コーディネーター(ラオス駐在)
上智大学比較文化学部卒業(国際政治学専攻)。編集者として勤務後、サセックス大学大学院にて教育と開発を学ぶ。インド・カシミール地方山のてっぺんの辺境の村で教育と公平性についてフィールドワークを行い、村の人々の「子どもに少しでもよい教育を受けさせたい」という切実な思いと、それが叶わない現状を目の当たりにする。その後約5年半のインドでの教育支援分野での勤務(国連教育科学文化機関(UNESCO)、 日本領事館、国連児童基金(UNICEF))を経て、2019年8月、高校生時代にボランティアとして働いたワールド・ビジョン・ジャパン入団。2019年11月末よりラオス駐在。
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登壇者:司会 蘇畑光子 ワールド・ビジョン・ジャパン事務局