(2020.04.10)
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）拡大防止のため緊急対応を実施しています。
危機的な状況の中、ウイルスのリスクにさらされているぜい弱な地域の子どもたちの命を守りたい、との思いからワールド・ビジョン・ジャパン（WVJ）親善大使のジュディ・オングさんと酒井美紀さん、チャイルド・スポンサーのマオさんから日本の皆さまに向けたメッセージをいただきました。WVJ事務局長の木内からの動画メッセージとあわせてご紹介します。ぜひご覧ください。
「早く新型コロナウイルスが沈静化しますように」と祈って過ごしていますが、日本でも7都府県に緊急事態宣言が出され、皆さんも不安の中にいらっしゃることと思います。
日本のような医療制度があり、感染症予防のために石鹸で手をきちんと洗うことができる国に暮らしていても、これほど感染症のリスクにさらされている今この瞬間。もともと厳しい環境で暮らしている世界の子どもたちは、いったいどんな状況に置かれているでしょうか。
感染拡大によって世界中の人々が大打撃を受けていますが、紛争や貧困によってすでに疲弊している国・地域に住む人々にとっては、壊滅的な影響を及ぼすものです。ワールド・ビジョンの最新の報告によると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、国連が発表したCOVID-19人道支援計画でも最もぜい弱とされる24カ国に暮らす3,000万人の子どもたちの命を脅かしているそうです。
ワールド・ビジョンは、一人でも多くの最も弱い立場にある子どもたちが国際社会の支援を受けられるよう、国連の呼びかけに賛同し、国連や他の人道支援団体と協調しています。
緊急対応のため、皆さまからの募金が大きな力となります。
ぜひ、新型コロナウイルス緊急対応募金にご協力ください。
新型コロナウイルスの感染は世界中に拡大し、日本を含め世界中の人々が恐怖と先の見えない不安と戦っています。
昨年訪れたヨルダンのシリア難民キャンプで出会った子どもたちにやっと笑顔が見られた矢先に更なる脅威が押し寄せ、恐怖と不安で毎日を過ごしているかと思うと心が痛みます。
キャンプ内は密集しており、新型コロナウイルスが蔓延してしまう懸念を抱いています。さらに医療体制もぜい弱です。
また、南スーダンの難民キャンプやロヒンギャ難民、国内避難民の子どもたちなど、世界中で最も立場の弱い人々を、誰一人取り残さない国境を超えた助け合いが必要だと強く感じています。
日本も感染拡大の脅威にさらされている現状なのは承知の上ですが、世界のぜい弱な国々の子どもたちにも支援を届けられたらと思っています。
このような世界の危機だからこそ、お互いを思いやる心が広がりますように・・そして、世界中の人々が守られますように・・・とそう願っています。
マオさんには、日ごろよりチャイルド・スポンサーとしても継続的にご支援をいただいています。「新型コロナウイルス感染症から世界の子どもたちを守るための活動も応援したい」との思いから、ご寄付に加えて動画メッセージをお寄せくださいました。
ワールド・ビジョン・ジャパン事務局長の木内（きない）です。
ワールド・ビジョンは難民キャンプや、アジア、アフリカの中でも特にぜい弱な国で、新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐため、世界17カ国で緊急支援を行っています。
私がこれまで支援地域で出会ったほぼすべての子どもたちは、小さな家に人々がひしめき合って暮らしていました。このような場所では、今すぐ手を打たないと、感染症が一気に広がるのではないかと強い危機感を持っています。
そもそも医療が充実していない地域では、新型コロナウイルスが流行すれば、簡単に医療崩壊が起こります。そうすると、新型コロナウイルスの治療はもちろん、今まで治療してもらえていた病気も治療できなくなり、予防接種も受けられなくなります。
今何かしなければ、ある決定的な境界線を越えさせてしまう可能性が高いと思っています。それは、これまでなんとかつなぎ止めてきた子どもたちの命、希望や夢の可能性が途絶えることを意味しています。
今、私たち自身が、この日本で自分の明日に不安をかかえる中でできることは限られているかもしれません。でも、"何もかも"はできなくとも、"何か"はきっとできる、というワールド・ビジョンのスピリットで、この世界の難局に向かって、一歩一歩、皆さまと進んでいきたいと願っています。ぜひ、皆さまの温かいご支援をご協力をお願いいたします。