(2019.07.05)
WVJは2014年から、シリア難民が多いヨルダン北部の都市イルビドとザルカで、勉強についていけない子どもたちのための補習授業と、ストレス解消や両国籍の子どもの交流を目指したレクリエーション活動を行っています。
渡邊スタッフは事業の成果として、子どもたちの成績の上昇に加えて「意識面」に現れた変化と、それらが周囲の人に及ぼした影響について話しました。
「補習授業と合わせて行うレクリエーション活動によって、シリア人とヨルダン人の子ども同士が仲良くなりました。それをきっかけに、親同士にも交流が生まれたんです。補習授業に参加した子どものほうが、「ほかの国籍の子どもと友達になりたい」と回答する割合が多く、また実際に遊んでいることもわかりました」
ヨルダンの学校では、シリア人に対する差別やいじめ等が問題の一つになっていますが、ワールド・ビジョンの支援によって実施されていた補習授業が、単なる勉強の場としてだけではなく、こうした問題の解決にも繋がり得る交流の場として機能していたことがわかったのです。
小松教授からは、国際社会がシリア情勢に対して以前よりも楽観的な目線を向けていることについて、「シリア危機がひと段落して、もはや緊急支援期じゃないと思われているのかもしれないけれど、シリア国内は疲弊しているし、シリアにはまだ戻れないという人もたくさんいる。隣国で生き延びるしかない人たちへの支援はまだまだ必要」と、現場とのギャップをお話しいただきました。
また、併せて「この先、子どもたちがシリアに戻れば、彼ら/彼女らが国の復興を担う人材になる。その人たちが教育を受けていないとなれば、復興にネガティブな影響があることは明らか。今、隣国にいるシリアの子どもたちが教育を続けていくことは非常に大事なこと」と教育支援事業の重要性についてもお話頂きました。
その後、ご参加いただいた皆さまとワールド・ビジョンのスタッフで交流の時間を持ち、会は盛況のうちに終了しました。
参加者の皆さまからお寄せいただいた声の一部をご紹介します。
「難民支援の多岐に渡る活動を知ることができた」
「緊急下の教育の具体的な事例がきけてよかった」
「教育が果たす役割が理解できました」
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!