(2019.03.19)
「未来ドラフト2018」でグランプリを受賞したチーム「ビディビディキャラバン」が、そのアイデアをウガンダのビディビディ難民居住地で実現して分かったこと、気づいたことなどを報告する会をワールド・ビジョン・ジャパン事務所で行いました。本プロジェクト実現を支えたクラウドファンディング支援者、また、「未来ドラフト2018」決勝大会進出者やエントリー者、「未来ドラフト2019」挑戦中の学生など総勢39名が来場し、質疑応答が活発なインタラクティブな報告会となりました。
報告会の模様を、「ビディビディキャラバン」チームがレポートします。
ウガンダの首都カンパラに到着してから、ビディビディ難民居住地に向かって10時間の陸路の旅をしました。国立公園の隣をずっと走ったので、動物を見られることを期待していましたが、永遠と草原や森が広がっていて、どんなに目を凝らして探しても、時々猿が現れる程度でした。あ、でも、野生のカバは見られました。しかし、アフリカの風景は見ていて飽きないものですね。お昼休憩で立ち寄った国立公園付近のレストランも素敵でした。
私たちは、ビディビディ難民居住地の ZONE 3というエリアにある6つのセンター(チャイルド・フレンドリー・スペース)でアイデアを実現しました。
映画上映やジャパニーズフェスティバル、色々なことをしましたが、私たちが1番大切にしたのは「PEACEクラブ」の存在を知ってもらい、その活動に参加する子どもを増やすきっかけをつくること。
映画上映の前後に、そこに集まった多くの子どもたちに向けて「PEACEクラブ」がスピーチをする時間を最も大切にしました。
「PEACEクラブ」が何を目指しているのか、なぜ「平和」が大事なのか、「平和」のために今なにをするべきなのか、そして、「PEACEクラブ」のメンバーになろう!という力強いメッセージを、4日間で約1000人以上の子どもたちに届けることができました。
パネルディスカッションでは、様々なトピックに対してアイデア実現メンバーがコメントをしました。来場者からも多くの質問があり、インタラクティブなディスカッションとなりました。
大変だったのは、体調管理。
凄まじい砂ぼこりで肺に支障をきたしたり、酷暑の中「自分だけ水を飲めない」と、給水できずにいたメンバーが熱中症になったりと、不測の事態が続きながらも、何とか無事成し遂げました。
感動したのは、「PEACEクラブ」がこのプロジェクトを「日本が持ってきたもの」ではなく「自分にとって、自分たちの未来にとって大切なプロジェクト」として主体的に取り組んでくれたこと。英語が分からない小さな子どもたちのために、「ぼくはアラビア語に通訳する」「わたしはディンガ語にする」と、自然と役割分担され、多くの子どもたちに平和のメッセージを届けたい想いが伝わってきました。
それで、結局、このプロジェクトは成功だったのですか?
「完全なる成功」です。
と答えたのは、アイデア実現に同行したワールド・ビジョンのスタッフ。
緊急支援の場では必然的に食糧や水の確保、保健衛生、教育、生計向上が優先されるため「難民の子どもたちが平和について考える楽しいイベント」は、重要と分かりつつも、資金的、人的リソースの優先順位は低くなってしまいます。そんな中、日本の若者が画期的で効果的な平和イベントを企画し、そのための費用を調達し、実行部隊として実際に仕切ってくれる、というのは、現場としては大変有難いこと。
このプロジェクトは、0から1を産みだしました。
バラバラに活動していた「PEACEクラブ」がこのプロジェクトのおかげで繋がりました。その繋がりの産物は測れるものではないですが、「変革」としてこれから目の当たりにしていくのだと願い、信じています。1人では人前でスピーチできなかった子どもが仲間と立つことでその力と自信を得ました。スピーチを聞いた子どもが、もしかしたら「PEACEクラブ」に参加するかもしれません。現地でもプロジェクトに対する評価は高く、「せっかく作り出してくれた繋がりを途絶えさせないように努力する。時間をつくる。来年のアイデアも楽しみにしている」と話していました。
終了後の懇親会では、小学生から大学生まで幅広い若者が交流しました。「未来ドラフト2019」に応募するにあたってのアドバイスをもらったり、難民問題について意見交換をしたりなど、大変盛り上がりました。
「未来ドラフト2019~わたしと難民がつながるアイデア・コンペティション~」は、現在アイデアエントリー受付中です!
エントリー締め切り:2019年4月21日(日)
今年もクリエイティブでワクワクするようなアイデアをお待ちしています!!
2018年10月~12月、アイデア実現部隊のメンバーがプロジェクトにかける熱い想いを発信しました!