(2017.04.06)
真剣な表情で患者さんと接する、アマンディープさん、23歳。この春から看護士として働き始めます。厳しい研修を終え「こんなに忙しかったことは、人生ではじめてです。でもやり遂げてみると、その全てに価値があったと感じます。」と笑顔で話すアマンディープさん。くたくたになって帰ってきてからも、睡眠時間を削って必死に勉強したそうです。
どうしてそんなに頑張れたのでしょうか。
インドの貧しい家庭に生まれたアマンディープさん。両親は教育を受けたことが無く、お父さんは日雇いの仕事で家族を支えています。仕事が見つからない日もあり、仕事があっても1日350円程の収入しかなくぎりぎりの生活でした。
さらに、アマンディープさんの暮らす地域では「女子に教育は不要」「女性は家にいるべき」という伝統的価値観が根強く残っており、女の子は教育からも、自立して働くことからも締め出されていました。
貧しい家庭に、女の子として生まれたアマンディープさん。将来看護士になる未来など想像もつかないような厳しい環境でした。しかし、アマンディープさんのお父さんは諦めませんでした。自分が教育を受けられずに苦労しているからこそ、娘にそうした思いをさせまいと生活費を切り詰めて学校に通わせました。「父は、私の教育のためなら本当に何でもしてくれました」とアマンディープさん。学校に通うことで「自分にも可能性がある」ことに気付き、看護師になるという夢を持ちました。
アマンディープさんは、懸命に勉強し、遂に看護学校に通うという夢の切符を手にしました。しかし、お父さんの収入ではどうしても学費を払うことができません。「諦めかけたとき、ワールド・ビジョンが学費を支援してくれることになりました。本当に感謝しています。」とアマンディープさん。看護学校では睡眠時間3時間程で勉強に励み、厳しい研修を乗り越え、遂に看護師という夢を叶えました。
※ワールド・ビジョンはアマンディープさんのような若い女性が自立した生活を送れるよう、彼女を含め76人の看護学校の学費を支援しています。その内、48名が卒業し仕事を得ることができました(残り27人は在学中です)。
「ワールド・ビジョンが私に与えてくれたのは、単に学費だけではありません。教育を通じて、貧しい家に生まれた子どもにも可能性があるということを学びました。」「それに、支援によって少しずつ女性に対する村の人々の意識も変わってきたように思います。」看護士として働き始め、安定した収入を得られるようになったことで、自信がついたというアマンディープさん。「これからは、妹たちや親戚の女の子たちの教育をサポートしていきたいです。」と笑顔で話してくれました。
アマンディープさんのように将来の可能性を秘めた子どもたちが、あなたのご支援を待っています。
日本でも新たな生活が始まるこの時期に、チャイルド・スポンサーをはじめてみませんか。