スーダンの数百万人の人々に迫りくる飢饉は世界への警告。
飢餓による子どもの死を防ぐため、今すぐ行動を

(2024.07.02)

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、スーダンに破滅的なレベルの飢餓危機が迫っていることをうけ、命を救う支援を届けるため、制約ない人道アクセスと国際社会の速やかな行動を求めます。

南スーダンのマラカルに設置されたセンターにて、スーダンから生き延びるための逃れてきた母子。元々は南スーダンに住んでいましたが居住地域の治安悪化をうけてスーダンに逃れて、そして、今回の紛争で再び避難を余儀なくされました。家族8人で使えるのは1枚のマットだけ。身を横たえるどころか、足を延ばすことも困難です

総合的食料安全保障分類(Integrated Food Security Phase Classification:IPC)による最新の報告書(6月27日発表)によると、スーダンは史上最悪の深刻な食料不安に直面しています [*1]。深刻な食料不足 (IPC フェーズ3「急性食料不安」以上) に直面する可能性のある人口は、3月に示された見通しの1,770万人から、今回、2,560万人に増加しました。また、850万人がIPC フェーズ4レベルの極度の食料不足に直面する可能性があり、前回の報告から74%増加しました。IPCフェーズ 5「大惨事」レベルとは、極度の飢餓、死亡、極度の貧困、極めて深刻な急性栄養失調が見られる状況です。これらのレベルでは、1日あたり1,000人以上が命の危険にさらされています。ユニセフによると、70万人以上の5歳未満児が餓死のリスクさらされています。スーダンは飢饉の瀬戸際にあります。

  • スーダンの人口の半数以上 (2,560万人) が、2024年6月以降の3カ月の間に、急性食料不安またはそれ以上の危機的なレベルの食料不安 (IPCフェーズ3またはそれ以上) に直面する可能性が高い [*1]
  • 850万人 (人口の18%) が、同時期に、深刻な急性食料不安 (IPCフェーズ4「人道危機) に直面する可能性が高い [*1]
  • 14の地域で、同時期に、住民、国内避難民、難民が飢饉のリスクにさらされている [*1]
  • 900万人近くの子どもたちが深刻な食料不安に直面し、70万人以上の5歳未満児が死の危険にさらされている [*2]
  • 人道機関は、スーダンと近隣諸国の人々に支援を届けるため、制約のない人道アクセスと人道支援のための資金ニーズが満たされることを必要としている


*1 IPC The Snapshot Sudan(IPCによるスーダンでの食料不安に関する2024年5月の状況ならびに2024年6月~9月見通しに関する報告)
*2 ユニセフ/UNICEF 2024年6月26日プレスリリース

スーダンでは、何十万もの子どもたちが飢餓と栄養失調に苦しんでいます。飢餓と食料不安は、子どもたちの身体的・認知的発達に長期に影響をおよぼし、人生を左右する深刻な害を与えます。食料不足の間、子どもたちの教育へのアクセスも制限され、このことが子どもの保護に関する憂慮すべき状況をさらに悪化させます。特に少女たちは、学校に行けないことで、危険な労働、早期の結婚、性的搾取や虐待の状況にさらされています。

スーダンは、世界で最も多くの子どもたちが家を追われている国の一つです。2023年4月に紛争が勃発して以来、700万人が新たに国内避難民となり、スーダンの国内避難民の数は推定1,000万人以上に達しています[*1]。現在も続く紛争は、子どもたちを危険にさらし、子どもたちとその家族を紛争からの避難を余儀なくさせ、将来を不安定なものにしています。

戦闘が続いているため、家を離れざるをえない15歳のアマニさんは、次のように述べます。
「たとえ家に戻ることができても食べるものが何も無いかもしれません。そのことがやるせないのです。私たちが平和に暮らし、学校に戻れるように、紛争が早く終わることを祈っています。私の夢はいつか医者になることです。援助機関の皆さん、助けてください」

東アフリカで前回飢饉が宣言されたのは2017年の南スーダンで、その前は2011年のソマリアでした。その際には、数十万人の命が失われ、子どもたちは栄養不良や農業生産の減少による長期的な影響を受けました。スーダンの状況も同様に厳しいです。スーダンでは政党間の紛争が飢餓危機を引き起こし、何百万人もの人々に影響を与えています。

さらに、気候変動の影響を受け、過去3年間で降水量が平均以下という状況に見舞われています。現在進行中の紛争と気象条件が相まって、状況はさらに悪化しています。何も植えたり、栽培したりすることができず、収穫がまったく得られない状態です。

ワールド・ビジョン・スーダン事務局長(暫定)ジョン・マコニは次のように述べます。
「食料不足と貧困が増加しているのを見るのは本当に心が痛みます。破滅的な状況がすぐそこまで迫っています。大多数の家族は無力感を感じており、家族を養う策がなく絶望的な状況なのです」

2021年4月以降、東アフリカで食料不安が増大する中、ワールド・ビジョンはスーダンを含む地域の7カ国で飢餓の影響に対応しています。ワールド・ビジョンは、特にスーダン国内で、切に必要とされている命を救うための支援を行っています。スーダン危機対応と避難民支援を通じて、ワールド・ビジョンはスーダンで子どもを含む約180万人に食料支援、水・衛生、保護支援、また、受益者に必要なものを購入できるようにする多目的現金給付など、いのちを守るための支援を行っています。多目的現金給付は、避難生活を強いられている人々が、必要に応じて支援物資やサービスを選択し、それらをどう使用するかを自ら決める権利を保障します。

ワールド・ビジョン・スーダンの事務局長(暫定)のジョン・マコニはさらに次のように述べます。
「スーダンが現在直面しているのは記録上最悪の飢餓危機です。援助機関が直面している最大の課題は人道支援へのアクセスが限られていることです。私たちは、最も必要としている人々に命を救う支援を届けるために、障壁のないアクセスが必要です。これ以上の支援の遅れは破滅的な結果を招き、死者を出すことになります。最も弱い立場にある子どもたちとその家族が、紛争の矢面に立たされていることは明らかです」

ワールド・ビジョンは、現在進行中の紛争の影響を受けている子どもたちとその家族が、健康と成長のために栄養のある食料を入手できるよう、スーダンで増大する食料不安の危機に対応し続けることを約束します。国際社会と紛争当事者は、壊滅的な栄養不良の緊急事態を防ぐために、直ちに行動を起こさなければなりません。

ワールド・ビジョンはまた、援助機関の人道的な義務が十分に尊重され、支援を必要としている人々へのアクセスが妨げられないよう求めています。

ワールド・ビジョンのスーダンでの活動について

ワールド・ビジョンはスーダンで活動している最大の人道支援機関の1つで、25年間スーダン国内で活動してきました。ワールド・ビジョンは、独立した、公平で政治的に中立な人道援組織です。ワールド・ビジョンのスーダン危機対応チームはスーダンとその近隣諸国で活動し、紛争で家を追われた何百万人もの人々に、最も必要とされている命を救う人道支援を届けています。危機ぼっ発から2024年4月までの1年間で、ワールド・ビジョンはスーダン危機への対応で130万人以上の人々 (大半が女性と子ども) に、食料安全保障、子どもの保護、健康と栄養、水・衛生に焦点を当てたプログラムなどの緊急支援を提供しました。

ワールド・ビジョンがスーダンの隣国チャドで運営する子どものための安全・安心な居場所「チャイルド・フレンドリー・スペース」で遊ぶスーダン難民の子どもたち

ワールド・ビジョン・ジャパンとは

キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。
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