(2022.08.23)
「この紛争は、ウクライナの子どもたちの未来を脅かしています。子どもたちは、昨年の今頃は、通学かばんに荷物を詰めて、学校で友達との再会を楽しみにしていました。しかし、6カ月の間に子どもたちの生活は劇変しました。今では教育へのアクセスが限られ、または、完全に断ち切られています」とワールド・ビジョンでウクライナ危機対応責任者を務めるジェニファー・ニールセンは述べます。
『Save Schools in Ukraine
「学校に戻ることで、子どもたちは日常の感覚を取り戻すことができます。しかし、ウクライナでは何百万人もの少年少女が新学年を迎えることができないのです。学ぶ時間と、学ぶ機会を取り戻すことは信じられないほど困難になることが懸念されます」とニールセンは強調します。
ワールド・ビジョンはウクライナの子どもたちにインフォーマル(非正規)教育の機会と、学習の遅れを取り戻すための教材を提供しています。教育を受けられなくなるリスクのあるすべての子どもたちに支援を届けるためには、より多くの資金が必要です。
「ウクライナの子どもたちには、新学期が始まるとともに、拡充された教育プログラムを通して、学習の教材・機会、支援を提供される必要があります。人道支援団体は、子どもたちが暮らしている地域のパートナー団体とともに、このような子どもたちが求める支援を提供することができます。しかし、支援を実現するためには資金がどうしても必要なのです」とニールセンは述べます。
ウクライナの子どもたちは、教育を受けられないだけでなく、メンタルヘルス上の問題のリスクにもさらされています。ワールド・ビジョンが先日発表した報告書『No Peace of Mind (平安のない心)』
「紛争の矢面に立たされるのは、いつも、罪のない子どもたちです。多くの子どもたちが暴力や死を目撃しており、何百万人もの子どもたちが家やペット、さらには家族と離れることを余儀なくされています。子どもたちの生活は引き裂かれています。何百万人もの子どもたちが失われた世代となることがないよう、国際社会は、子どもたちのメンタルヘルスと教育への支援を優先する必要があります」とニールセンは訴えます。
ワールド・ビジョンはウクライナ危機に対する緊急人道支援を通して、277,000人以上に支援を届けました。5,000人以上の子どもたちが教育プログラムを通して支援を受けています。しかし、冬が近づくにつれてその必要性は高まると予想されており、さらなる課題をもたらす可能性があります。
「紛争がメディアの見出しから姿を消しつつある中で、ウクライナの子どもたちの継続的かつ増大するニーズを忘れてはなりません。子どもたちには、子どもたちを支えるシステムが必要であり、教育が必要であり、支援が必要です。ワールド・ビジョンのような国際人道支援団体がその支援を行っていますが、実際に支援が届けられるためには、子どもたちへの支援の優先順位を上げて、資金を投入することがどうしても必要です。そして、それが今すぐになされる必要があるのです」とニールセンは語ります。
キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳しくはこちら
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