【ウクライナ危機】高まる人道支援のニーズ:トラウマや搾取の被害から子どもたちを守る必要があります

(2022.02.28)


世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、ウクライナで続く危機が子どもたちや家族に悪影響をおよぼすことを警告します。ワールド・ビジョンは、数十年にわたり東欧で活動してきましたが、このたびの危機に際して、ウクライナからルーマニアに逃れた難民への支援活動を強化しており、子どもたちへの心理的応急処置と、難民への基本的な支援物資の提供を計画しています。

【概要】

  • ワールド・ビジョンは、紛争によって子どもたちが心理的影響を受けることに警鐘を鳴らし、心理社会的支援を優先します。
  • 親と離ればなれになった子どもたちは、搾取の危険にさらされていることを警告します。
  • ワールド・ビジョンは緊急支援キットの配布を開始しており、支援活動を進めるための寄付の呼びかけを行っています。

ワールド・ビジョンは、子どもたちが家や地域社会から避難している間、家族から引き離され、暴力や搾取、虐待の危険性が高まることに懸念を表明します。

ウクライナの南に位置し国境を接する国モルドバでは、ワールド・ビジョンが現地のNGOと連携協定を結び、難民の受け入れ活動を調整・支援しています。また、現在教育を受けることができないウクライナの子どもたちに教育の継続性を確保する方策も計画しています。ウクライナ国内においても、関係諸団体の活動をサポートするための協議が進行中です。

ワールド・ビジョンの中東および東欧地域の責任者を務めるエレノア・モンビオは、次のように訴えます。

「私たちは、ウクライナ危機の影響を最も受けた子どもたちとその家族の人道的、心理的ニーズの高まりを心から懸念しています。状況は急速に悪化しており、世界中の紛争地で見られたように、ウクライナでも、子どもや家族への心理的影響が増大しています。

ウクライナ国境の町で活動するワールド・ビジョン・ルーマニアのスタッフ(手前右)
このため、ワールド・ビジョンは、衛生用品や子ども支援キットを含む物資を配布するとともに、難民の方々に必要とされる支援を届けるための活動をルーマニアで開始しており、モルドバでも支援を計画中です。まずは水等の生活必需品を届けることから始めますが、今後は、ウクライナから逃れてきた子どもや人々の心のケアも実施していきたいと考えています。またルーマニアにおいては、長らく現地で活動してきた豊富な専門知識に基づき、子どものための教育継続支援も行っていきます。長期化も懸念される危機の中では、教育こそが正常な感覚を呼び戻し、より良い対応のメカニズムを生み出すのに有益であることを、私たちは世界の現場で確認しています。

強制的に移動させられる最中で子どもたちが親や家族から引き離される現実的な可能性について、私たちは大変危惧しています。家から避難することを余儀なくされた子どもたち、特に、保護者がいない子どもたちは搾取や暴力の標的にされやすいのです。

この紛争の影響を受けている子どもたちと家族は、緊急に支援を必要としています。私たちは、皆さまがこの活動に賛同し、その思いを寄付という形であらわしてくださることを祈っています」

募金を受け付けています

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、紛争等の影響により、危機的な状況にある難民・国内避難民を支援する「難民支援募金」を受け付けています。皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。



ワールド・ビジョンとは

キリスト教精神に基づき、貧困、紛争、災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳細はこちら

本件に関する報道関係者からのお問合せ先

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
広報担当:市山志保 【電話】03-5334-5356 【Email】shiho_ichiyama@worldvision.or.jp