(2021.06.17)
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報告書『High Risk- Low Priority』は、国民を新型コロナから守るのに必要な資源のない低所得国において、新型コロナが急増していると警告しています。これらの国々は、世界のワクチン接種量のわずか3%しか利用できない状況にあります。またこれら多くの国々は、強制的な避難を迫られた4,000万人を超える難民を受け入れており、その結果、受け入れ国が実施できるワクチン接種計画は非常に限定的なものになっています。
ワールド・ビジョン総裁/最高責任者、アンドリュー・モーリーはこう述べます。「新型コロナによって最も影響を受けている人々が、ワクチン接種から最も遠いところに置かれていることに、道義的な憤りを感じます」
高所得国は、低所得国の25倍の速さで国民にワクチンを届けており、自国の最も弱い立場にある人々を保護しています。ワールド・ビジョンは、世界で最もぜい弱な立場にある人々に対しても、同じような保護を今こそ確保しなければならないと訴えます。
「すでに難民や避難民となっているぜい弱な子どもたちの多くは、ロックダウンによって教育という貴重な機会を逸しています。子どもたちは今、虐待する大人と一緒に暮らしているかもしれません。生計手段が絶たれて親や保護者が窮地に陥っているため、子どもたちは強制的に仕事をさせられたり、結婚させれられたりもしています」とモーリーは続けます。
ワールド・ビジョンは、ブラジル、コロンビア、コンゴ民主共和国、ヨルダン、ペルー、トルコ、ウガンダ、ベネズエラで調査を行いました。その結果、
・調査対象の1,914人のうち、新型コロナのワクチンを接種したことはあるのは1人でした。
・68%の人が地域でのワクチン接種の計画を聞いたことがないと回答しました。ほぼ半数(47%)が自分には接種の資格がないと考えているか、資格があることを知りませんでした。
・パンデミックが始まって以来、調査対象者たちは、外国人に対する嫌悪やヘイトスピーチ、身体的・感情的な攻撃を受けてきました。
・72%が収入が減った、40%が仕事を失ったと答え、77%が食料のニーズを満たすことができないと答えました。
先週、G7の世界のリーダーたちは世界で最も弱い立場にある人々に10億回分のワクチンを提供すると約束しました。ワールド・ビジョンは、この約束を確実に実現させ、ワクチンへの公平なアクセスを優先事項として取り組むよう各国政府に求めます。また、難民受け入れ国政府に対し、法的・書類上の地位にかかわらず、すべての難民・避難民を自国民と同等として、ワクチン接種を計画、展開し、社会的保護を確保するよう要請します。
190カ国以上が参加するCOVAX(ワクチンを平等に分配するための国際的な取り組み)では、最もぜい弱でリスクの高い人々のうち少なくとも20%に対して、2021年末までに20億回分のワクチン接種を行うことを約束しています。しかしながら、資金不足とスケジュール遅延の両方の問題を抱えています。
「世界の子どもたちは世界のリーダーたちが行動することを期待しています。私たちの調査は、危機がおよぶ真の範囲を示しています。このパンデミックは、世界の隅々に至るまで解決されない限り、終わることはないのです」
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。詳細はこちら
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