(2021.05.20)
世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、本日、児童婚に関する報告書「Breaking The Chain」を発表しました。
新型コロナの感染拡大が続く中、ワールド・ビジョンのスタッフは、増え続ける児童婚の事案に対応しています。児童婚が急増した背景には、パンデミックに起因する生計確保手段の喪失、貧困の増加、教育や支援サービスへのアクセスの欠如等があると考えられます。
※報告書「Breaking The Chain」はこちら(英語)
ワールド・ビジョンのアドボカシー・渉外担当、デイナ・ブズセアはこう述べます。「私たちには、子どもは神聖なものという意識がありますが、そのために毎年1,200万人もの少女たちが18歳の誕生日を迎える前に結婚させられるのは悲痛です。教室の空席、商品として扱われる少女たち、失われる人間的・経済的可能性、そのどれもが悲劇を物語っています。私たちは、家庭の経済的困窮、無理解等が、最も脆弱な地域で児童婚がなくならない要因の一つと考えています。新型コロナのパンデミックとロックダウンによって、少女たちは、健やかな子ども時代を生きる権利、そして自分たちの可能性を実現する権利を脅かされています。
新型コロナのパンデミックにより、さらに400万人の少女たちが結婚させられる可能性があります。もう時間がありません。少女たちを守るための重大な変化がなければ、多くの未来が台無しになってしまいます。政府や援助機関等は、子どもを保護する法律が順守されることを担保し、児童婚を終わらせるための強固な世界的な対応策を立案するために、一層の努力を重ねなければなりません」
*1 報告書「Breaking The Chain」は、ワールド・ビジョンが特に児童婚の問題に取り組んできたアフガニスタン、バングラデシュ、セネガル、ウガンダにおけるデータと研究をまとめたものです。
*2 ワールド・ビジョンは、70カ国以上で地方自治体、宗教指導者、子どもたちと協力して、法律を制定し、社会規範を変え、既存の法律が確実に実行されるよう働きかけています。また、当事者である少女や少年たちにも仲間の強制結婚を防ぐために報告等の行動を起こすことを推奨しています。チャイルド・スポンサーシップを通じた支援プログラムでは、子どもたちの教育機会を確保するとともに、保護者が子どもを育てるための十分な資金や資源を確保するサポートをし、児童婚の根本原因の解決に努めています。
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。ワールド・ビジョン・ジャパンは、ワールド・ビジョンの日本事務所です。詳細はこちら
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