(2020.07.07)
ワールド・ビジョンでグローバル・インパクト部門のリーダーを務めるノルベルト・スーは次のように述べます。
「ラテンアメリカ、サハラ以南のアフリカ、アジアの国々を対象にしたこの調査で、子どもたちが危機に瀕していることが明白になりました。多くの場合、最もぜい弱な環境にいる人々が、最も大きな影響を受けます。具体的には、すでに紛争や気候変動、難民問題等が起きている国に住む人々です」
ワールド・ビジョンはCOVID-19以前から、コミュニティの人々とともに地域に根差した支援活動を行ってきました。今回、アジアの14,000世帯、アフリカの中小企業経営者2,400人以上、ラテンアメリカのベネズエラ移民360人以上から得たコミュニティのデータは、COVID-19のパンデミックによる潜在的影響がすでに出始めていることを示しています。例えば、ブラジル、ボリビア、チリ、コロンビア、ペルーで調査対象となったベネズエラからの移住者の84%が、所得が大幅に減少したと回答しています。
「私たちがヒアリングした移住者の80%以上が食料が不足していると答え、ベネズエラからの移住者の子どものうち3人に1人がお腹を空かせたままベッドに入っている状況でした。アフリカでも、回答者の大多数(多くは女性)が収入不足を補うために食事を簡素にしている(健康的な食事にお金をかけていない)ことが分かりました」とスーは言います。
緊急報告書『Out of Time』を通してワールド・ビジョンは、子どもに配慮した社会的保護プログラムを拡大するために、政府、国連機関、ドナー、NGO、民間セクターに対して、ともに行動を起こすことを訴えます。食料システムの維持、雇用と生活の確保、包括的で回復力のある経済への投資等の面で、今すぐ協働が必要です。
「迅速に対応しなければ、過去数十年にも見られなかったような極度の貧困と飢餓が増加する危険があります」とスーは警告します。
2020年1月にアジア地域での緊急支援を開始し、3月には活動国を拡大してCOVID-19の世界的な感染拡大に対応。従前より実施していた開発プログラム(チャイルド・スポンサーシップ等)の支援地域でCOVID-19対策を行うことに加えて、医療体制がぜい弱な国や難民・避難民が多い等を中心に対策を強化しています。最もぜい弱な環境にある子どもたちとその家族に支援を届けるため、2020年9月までに、3億5,000万米ドル(約375億円)の活動資金を必要としています。詳しくはこちら
ワールド・ビジョンは、キリスト教精神に基づいて、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録されています。詳しくはこちら
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:市山志保
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