(2020.04.28)
13カ国を通して、回答者は、自分たちの生活に最も大きな影響を与えている要因として、①学校の休校、②ソーシャル・ディスタンシングによる心理的ストレス、③貧困の加速、を挙げています。7割を超える回答者が、休校によって疎外感と孤独を感じていると答えています。
ワールド・ビジョンのアドボカシー・渉外担当、デイナ・ブズセアはこう述べます。
「COVID-19の影響による休校、そして社会のセーフティネットにアクセスできないことで、子どもたちは他の年齢層よりも大きな影響を受けています。外出制限措置・休校措置がとられるなか、最も弱い立場にある子どもたち、特にインターネットへのアクセスがない子どもたちは、他の子どもたちと比べて教育に遅れをとってしまいます。加えて、数千万人といわれる子どもたちが給食を摂れていない上、親が仕事を失い生計を立てられなくなった家庭では、子どもたちに十分な食事を与えることができていません。本調査では、多くの子どもたちが友だちや親せきに連絡を取ることができないために、混乱、緊張、時として絶望に陥っていることが分かります」
本調査に参加したコンゴ民主共和国に住む16歳のアニータさんは言います。
「この状況は嫌です。もうすぐエボラ出血熱の流行から解放されるところだったのに、今度はコロナウイルスがやってきてしまう。人との接触を避けることがウイルスから身を守ることになるとは知っているけれど、ウイルスよりも飢えが私たちを死に追いやるかもしれません」
ブラジルに住むララさん(7歳)は、こう訴えます。
「手を洗うことがとっても大切なの。でも私の住むところでは、水がないの。ほとんどの家では一週間に一回しか水をもらえないんです。それなのに、みんなどうやって清潔にできるのっていうの?病気がたくさん増えちゃう」
本調査では、子どもたちはこのようにストレスを感じていても、自分たちの住む地域においてCOVID-19感染拡大防止に自分たちが役割を担うべきだと強く思っている、ということも浮かび上がってきました。例えば、感染防止のための啓発活動をオンライン・システムを使って実施する等です。
デイナ・ブズセアは続けます。
「子どもたちは、『か弱く、声を上げない被害者』ではないことが分かります。彼らは変化の主体として、周囲の人々と交わりながら環境の改善に貢献できるのです。社会に参画することによって、自信を持ち、無力感から解放されます。困難な状況にあっても立ち向かえるようになるのです。COVID-19による危機から脱するためにも、そして将来やってくる災害においても、子どもたちが参画し活躍できる場を作ることが重要です」
*13カ国: アルバニア、バングラデシュ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ブラジル、コンゴ民主共和国、マリ、モンゴル、ニカラグア、ペルー、フィリピン、ルーマニア、シエラレオネ、シリア(アルファベット順)
ワールド・ビジョンは2020年1月にアジア地域での緊急支援活動を開始。COVID-19の世界的な感染拡大をうけ、すでに活動している地域での予防啓発などの緊急支援に加え、特にぜい弱な状況にある国を指定して対応を強化しています。
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ワールド・ビジョンは、キリスト教精神に基づいて、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録されています。詳しくは www.worldvision.jp へ。
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン 広報担当:市山志保
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