(2021.06.14)
2021年6月11日から13日にかけて、イギリスのコーンウォールにてG7首脳会合が開催されました。ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、今回のG7に向けて、各国の仲間と議論を重ねてきたほか、日本のシェルパと政策対話を実施する等の活動を行ってきました。
G7では、「エンゲージメントグループ」と呼ばれる、政府とは独立したステークホルダーにより形成される各グループが、G7で議論される関心分野について、G7の成果文書に影響を与えるべく政策対話や提言を行います。G7コーンウォールサミットにおいても、若者(Youth 7)、女性(Women 7)、科学(Science 7)、労働(Labour 7)、市民社会(Civil Society 7)、ビジネス(Business 7)の各エンゲージメントグループが、各種会議を開催し、それぞれの立場から提言を行いました。
Civil Society 7(通称C7)はこのエンゲージメントグループのひとつで、市民社会により組織されます。毎年、議長国の市民社会が中心となって、G7国のみならず、G20諸国や開発途上国等の市民社会と協働しながら提言をまとめ、G7に向けて発信します。
今年は、議長国イギリスの市民社会が中心となり、2つの国際会議(C7円卓会議、C7サミット)が開催されました。国際会議では、参加した各国の市民社会メンバー間で議論が行われ、最終的にはC7としての提言(C7コミュニケ)が取りまとめられました。
WVJは、この2つの国際会議に柴田哲子スタッフを派遣し、C7としての提言作成に参加しました。
3月29日、イギリスの市民社会の主催により、C7サミットに向けた第1回C 7円卓会議 がオンラインで開催されました。円卓会議には、C7事務局から招待を受けたG7国を中心とした8カ国15名の市民社会代表が出席し、C7に向けた意見交換を行いました。日本からは、WVJ柴田スタッフに加え、国際協力NGOセンター(JANIC)、ジャパンプラットフォーム(JPF)からそれぞれの代表が出席しました。
円卓会議では、各国政府による優先分野や市民社会によるG7に向けた取り組みについて共有されたほか、G7政府が取り組むべき課題や、「Build Back Better」等の今年のG7の優先テーマ分野について議論が行われました。
この円卓会議で取りまとめられた提言は、C7サミットにインプットされ、最終的にはC7コミュニケに反映されました。
4月19-20日の2日間にわたり、イギリスの市民社会の主催により、C7サミット
日本からは、WVJに加え、JANIC、「環境・持続社会」研究センター、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、アフリカ日本協議会の4名が招待に基づき参加し、世界各国の市民社会代表と議論を行いました。
サミットでは、全体講演に加え、課題(気候変動と環境、公正な経済、教育・食料・環境、保健・食料安全保障、包摂的な教育、社会保障、反人種差別、市民社会スペース、紛争・食料安全保障と栄養、保健システム等)別の分科会が開かれ、参加者はいずれかの分科会に参加し幅広いトピックについて議論を行いました。
2日にわたるサミットの最後には、イギリス政府から参加したG7シェルパに対し、C7での議論を踏まえた提言を提出し、G7に向けた議論が行われました。
C7サミットの議論の成果は、C7円卓会議の成果も含めた「C7のコミュニケ」として取りまとめられました。
なお、6月8日には、日本において、G7に向けた市民社会の取り組みや提言について紹介するウェビナー「コロナ時代における『誰ひとり取り残さない』政策とは:G7・G20に向けた市民社会の提言」が、JANICとSDGs市民社会ネットワークの主催にて開催され、柴田スタッフを含むC7参加者およびW7参加者が登壇して、分野別の報告を行いました。