奇跡の国、ルワンダ:悲しい歴史を乗り越え 取り戻した希望と未来

(2024.11.05)

アフリカの小さな国、ルワンダ。安定した政治と近年の急速な経済発展から、『アフリカの奇跡』と呼ばれる一方で、民族の対立によってわずか100日の間に国民の10人に一人にあたる80万人が命を落とすという、悲しい歴史を持つ国でもあります。兵士のみならず、一般市民までもがナタを持って殺し合った史上類を見ないジェノサイド(大虐殺)は、人々に深い悲しみと傷を残しました。その後ワールド・ビジョン(WV)はルワンダに事務所を設置。壮絶なジェノサイドを生き延びた人々の「心の平和」を後押しする支援を始めました。

民族同士の殺りくを逃れ、隣国のコンゴ民主共和国へと避難した人々。ジェノサイドによる難民の数は、約300万人に上りました(1994年)

「平和の木」と「希望の種」

加害者と被害者は、その多くがジェノサイド収束後も同じコミュニティで暮らしています。大切な人の命を奪い、奪われた者同士が隣人として生きていかなければならない――そんな残酷な現実に向き合う人々を支援するため、WVが実施するのが「平和の木プロジェクト」です。これは被害者と加害者がお互いの家にオレンジの苗木を植え合い、自分が植えた木の世話をするというもので、相手の家に毎日水やりに行って顔を合わせ、言葉を交わすことによって少しずつ互いの心情を理解し、和解へと向かっていきます。

もちろんこの取り組みに参加したからといって、犯した罪や大切な人を奪われた悲しみが消えることはありません。それでも和解のために人々が努力を続けるのは、「憎しみを次世代に残したくない」という強い思いがあるからです。こうした願いが未来への"希望の種"となり、平和の木とともに育まれていきます。

ジェノサイドで家族を殺害されたローズさん(仮名)と、その加害者であったパトリックさん(仮名)

『奇跡』の陰で取り残された人々の切なる願い

近年目覚ましい経済成長を遂げているルワンダ。しかし、その『奇跡』はすべての人に行き渡っているわけではありません。例えば同国東部に位置するニャガタレ郡は国内でも最も貧しい地域の一つで、住民の約4割が1日あたり約47円以下で生活しています(※)。
子どもたちが健やかに成長し、教育を受け、希望をもって生きること、それがジェノサイドを乗り越えた人々の切なる願いであり、WVは様々な支援活動を通じてその実現を目指し、今日も現地で希望の種をまいています。

※ World Bank Group, Poverty & Equity Brief(2023年)より算出 

チャイルド・スポンサーシップの支援を通じてニャガタレ地域で実施する活動の一例:

乳幼児の栄養改善
農業技術の指導
給水設備の建設
学校の建設

チャイルド・スポンサーの「地球あちこち~ルワンダを知る旅」2025年3月のご案内

前回のルワンダツアーの集合写真

新型コロナウイルスの流行に伴い長らく中断していた支援地訪問ツアーを、ルワンダの地を皮切りに、いよいよ再開いたします。支援が始まって間もない地域や、間もなく支援を終了する地域への訪問を通して、現地の状況、支援の成果をご確認いただき、またチャイルドと会って豊かな時間をお過ごしいただければと思います。

  • 期間:2025年3月15日(土)~3月23日(日) 9日間
  • 最少催行人数:15人名(定員:20人)


※参加はチャイルド・スポンサーとそのご家族に限らせていただきます。

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