失われた子ども時代と将来の夢を取り戻すために
フィラス君(11歳)は、シリアのハマに7人家族で暮らしていました。シリア危機が発生し、住んでいた地域での戦闘が激しくなったため、ある日の真夜中に、家族全員で家を出て、ヨルダンとの国境まで向かいました。ようやくたどり着いた場所には、あちこちにいくつものテントが張ってあったと言います。フィラス君一家も国境を越えるチャンスが来る日まで、テント暮らしをしていました。
今はヨルダンの難民キャンプで暮らしていますが、ハマに残る友だちや親戚に今すぐ会いたいし、とても気になっていると話します。
キャンプ内のフィラス君一家の暮らす地区では、その当時電気が通っておらず、学校もありませんでした。そのため地区の住民が協力して、詩やお話の朗読会を開催しました。これをきっかけにフィラス君は、思いを発信できる詩に夢中になりました。今はキャンプ内の学校に通い、空いた時間にはできる限りの本を読んで過ごしています。
「ぼくは将来、建築家になってシリアを立て直したい。シリアはぼくのような子どもたちが再建するんだ」
フィラス君が思いを寄せる、シリア国内に残り避難生活を送る子どもたちは、コロナ禍で更なる困難に直面しています。家計を支えるために働く子どもたちや、コロナ禍にあって、安全な水や石けん等が不足し、病気になりやすい状況に置かれています。
ワールド・ビジョンでは、避難生活での衛生環境を保つため、安全な水や石けん等を提供し、感染症予防の啓発活動を行っています。また避難生活で学びの空白期間のある子どもたちへの補習授業等、学び続けるための環境づくりを支援します。
恐怖の中にある子どもたちの命を守り、将来に希望を持てるように、難民支援募金にご協力ください
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