3.キリストにならうこと
榊原先生と直接関わる機会はそれほど多くはなかったスタッフも、人に寄り添われる先生の温かさを感じていました。「先生は、人を愛し、一人ひとりに寄り添い、そして、どんな人に対しても謙遜に仕えられる方でした。」と先生を偲ぶのは人事・総務課の大古殿スタッフ。
数年前に榊原先生が帯状疱疹になられた時のことを思い出す大古殿スタッフ。ひどい痛みのために何日も眠れない日が続き、その後少し良くなってはきたものの、痛みで足の踏ん張りがきかず、何度も転倒を繰り返した先生は、歩くことが怖くなってしまったと口にしておられたそうです。
「この時の経験を振り返った先生の言葉が忘れられません。先生は、この年齢になってやっと、痛みを抱えている人の気持ちを、少しだけ、本当にほんの少しだけ理解することが出来るようになった、そして、このような機会を与えてくださった神様に感謝します、とおっしゃったんです」
大古殿スタッフは、このとき、ワールド・ビジョンで働く上での大切なことを教わったと言います。自分の痛みを通して、他者の痛みにも思いを巡らすこと。また、すべてを神様に感謝すること。「先生から、今も励ましをいただいています」と、話してくれました。
ワールド・ビジョン・ジャパンは、榊原先生をはじめ、イエス・キリストにならって歩まれた「先人たち」からバトンを受け継ぎながら、33年間の活動が守られてきました。これからも、この受け継がれてきた思いを大切にし、最も弱い立場にある子どもたちの声や痛みに寄り添う支援を続けていきたい。そう思わされました。 |