「ボランティアをしてみたいけれど、種類が分からない」
「自分の生活に合ったボランティア活動をしてみたい」
このように考えている人は多いでしょう。ボランティア活動の種類は多岐にわたります。1日だけ参加できるものから、現地に密着して長期的に行うものまでさまざまです。ボランティア活動は自分のライフスタイルや目的、年齢に合わせて選ぶことで、無理なくチャレンジできます。
ボランティア活動の種類を一覧で見てみましょう。
ボランティア活動の種類 | 具体的な活動例 |
自然保護・環境保全 | 清掃活動・リサイクル活動・植樹・森林の間伐・動物愛護活動・外来種駆除 など |
国際交流・国際協力 | 難民救援・教育援助・海外への食料物資援助・技術援助・留学生支援・植林・通訳 など |
障害者支援 | 訪問介助・障害児への療育支援・点訳・レクリエーションの実施・技能指導・障害者向け設備(車イスやバリアフリー設備など)の提供・障害者向けサービス(朗読・レコーディング・手話など)の提供・盲導犬教育 など |
健康・医療支援 | 献血・治験・巡回医療・健康相談・電話相談・寝たきりやひとり暮らしのシニアへのサービス など |
シニア支援 | 施設訪問・介護支援・傾聴 など |
子育て支援 | 赤ちゃん相談・子ども会の援助・読み聞かせ・児童保育・レクリエーション指導 など |
防災・被災者支援 | 救援物資の援助・炊き出しなどの災害時の救援・がれきや土砂の撤去・家屋の片付けや清掃補助・仮設住宅への引越補助・災害復旧のための募金活動・病院等への移送・被災地のシニアの話し相手・被災地の子どもの遊び相手・復興の状況に関する情報提供・復興支援イベントの実施・「火の用心」の巡回・通学路の安全確保 など |
街づくり支援 | 道路に花を植える・駅の自転車置き場の整理・地域おこしの活動(祭りの運営サポートやプロモーション活動など) など |
スポーツ・文化に関する支援 | スポーツ教室の開催・スポーツ会場の警備・各種講習会の開催、情報弱者(パソコン)の支援・芸術家の育成支援・市民劇団の開催・演劇の鑑賞会の企画・伝統文化の継承と普及 など |
収集・募金 | 赤い羽根募金の呼びかけ・ベルマークや使用済み切手の収集 など |
このようにボランティアには、さまざまな種類があります。ではここから年代別にどういった活動がおすすめなのかを見ていきましょう。
シニアにおすすめのボランティア活動の種類は、主に以下のとおりです。
介護福祉分野のボランティア活動 | ・障害者や一人暮らしの人、デイサービスといった施設に通う人への傾聴ボランティア ・介護や福祉施設のレクリエーションサポート ・一人暮らしの人への友愛訪問 など |
自治体に密着したボランティア活動 | ・地域の清掃 ・草むしりや植樹などの美化活動 ・祭りの運営サポート など |
シニアにおすすめのボランティア活動は、介護福祉分野と自治体に密着した活動の種類に大きく分けられます。上記の活動はお住まいの地域でできる場合が多く、体への負担も比較的少ないのが特徴です。
介護福祉分野では、傾聴ボランティアや福祉施設のレクリエーション、友愛訪問などが挙げられます。傾聴ボランティアとは、施設に入所されている人のお話を聴くボランティアです。そばで話を聴いたり、雑談をすることで利用者の気持ちを和らげ、より充実した生活を支援します。相手と年齢が近いほど話しやすさも増すため、傾聴ボランティアはシニア層ならではの活動です。
なおこうしたボランティア活動は多くの場合、お住まいの地域の社会福祉協議会が主導しているため、興味のある人はぜひ問い合わせてみてください。地域によっては、傾聴ボランティアの養成講座が開かれている場合もあり、安心です(注1)。
自分の住んでいる地域に貢献することは、大きなやりがいにもつながります。また、家の周りがきれいになっていくと、気持ちがよいものです。なおこうした活動は町内会にはいっていると、回ってくる場合があります。
社会人におすすめのボランティア活動は、以下のとおりです。
環境保全分野のボランティア活動 | ・清掃活動・リサイクル活動・植樹・外来種駆除活動 など |
医療分野のボランティア活動 | ・献血・治験 など |
社会人は、ボランティアに割ける時間が限られるケースが多いでしょう。そのため主に1日だけ参加できるものや、休日を有効活用して参加できるボランティアがおすすめです。
環境保全分野では、清掃活動やリサイクル活動などが挙げられます。たとえば神奈川県では、公益財団法人が海岸のゴミ拾いをするボランティアを募集しています(注2)。ボランティアとして登録すればゴミ袋と軍手といった必要なアイテムが宅配便で届き、あとは好きなときに指定の場所でゴミ拾いを行うだけです。
日本全国で行われている献血は、医療分野におけるボランティア活動の1つです。16歳以上、69歳以下の人で献血基準をクリアすれば、献血に参加できます(注3)。
また治験も社会人におすすめのボランティアです。治験とは、新薬の効果や有効性を調べるために行われる実験です。実際に一定期間薬を服用したり、治療を受け続けたりすることでデータを提供します。治験ボランティアは専用のサイトに会員登録することで、自分の健康状態にあった治験を紹介してもらえます(注4)。
子どもたちが遊ぶスペースでボランティア活動を行っている様子
大学生におすすめのボランティア活動は、以下のとおりです。
国際交流・国際協力のボランティア活動 |
・NGOやNPOのサポート(教育援助・技術援助・植林・通訳) |
障害者・子ども分野のボランティア活動 |
・障害者施設での配膳・傾聴・レクリエーション |
防災・復興分野のボランティア活動 | ・被災地の復興支援 |
日本を飛び出してボランティアにチャレンジしてみたい人は、海外で活動する団体のサポートもおすすめです。また国内にも長期的かつ深く人や地域と関わり、やりがいを感じられるボランティア活動は多数存在し、特に被災地の復興支援では体力を使う活動も多く、若い人手が歓迎される場合もあります。
世界には紛争や自然災害、貧困といった背景があり支援を必要としている人々が多くいます。こうした人々の元へ駆けつけ、必要な支援をするNGOやNPO団体にボランティアとして参加するのも1つの手段です。
2022年6月14日から6月19日には、ヤフーで「ウクライナ支援」と検索すると、1人あたり10円をヤフー株式会社が寄付するキャンペーンが行われました。この寄付先には、私たちワールド・ビジョン・ジャパンも含まれています。
また2022年6月18日から7月1日には、歩くだけでウクライナを支援できる「PEACE WALK」というキャンペーンが開催されました(注5)。参加にエントリーし、支援先を選んで専用のアプリで歩数をカウントするだけで、ウクライナへの支援ができるというものです。第1回PEACE WALKでは、参加者2,964人、歩数は147,759,380歩を記録しました。
このように、海外の支援は必ずしも現地に行かないとできないものばかりではありません。国内で、誰でも簡単にできる活動もあります。ぜひご自分の予定や、興味に合わせて活動を選んでみてください。
特別支援学校や放課後デイサービスといった、障害のある人や子どもたちへの支援活動も、大学生におすすめです。
また学童の保育ボランティアや、食事が十分に摂れない子どもに向けた「子ども食堂」のボランティアスタッフなどもあります(注6)。数カ月や1年越しといった長期の募集が多いものの、将来を担う子どもたちをサポートすることは大きなやりがいにつながるでしょう。
地震や津波、大雨といった自然災害に見舞われた地域の防災や復興も、重要なボランティア活動の1つです。たとえば東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県や岩手県、福島県では2022年7月の現在もなおボランティアを必要としています(注7)。
高校生以下におすすめのボランティア活動は、以下のとおりです。
募金分野のボランティア活動 |
・募金の呼びかけ |
町おこし・文化・スポーツ分野のボランティア活動 |
・地域のイベントスタッフ |
ゴミ拾いや草むしりを学校が主催して行う場合もありますが、それ以外にも上記のボランティア活動があります。どれも学校のない休日を使って、お住まいの地域内でできるものばかりです。
募金箱を持って街頭や駅で呼びかけをするボランティアは、小学生から誰でも参加できます。特にお住まいの地域で参加できるのが、赤い羽根募金です。赤い羽根募金は地域のさまざまな助成に利用される募金の1つです。
各自治体のイベントやお祭りに、スタッフとして参加する活動も学生におすすめです。たとえばサッカー部に入っている人は、地域の少年サッカーチームの試合や練習を手伝うといったボランティアが検討できます。アートが好きな人は伝統芸能を守るボランティアスタッフに立候補してもよいでしょう。
ボランティア活動というと、現地へ行って何か支援をするイメージがあるかもしれません。しかし、必ずしもそれだけがボランティアではありません。たとえば、募金もボランティア活動の一種といえます。
募金は間接的ではあるものの、確実な支援の1つです。私たちワールド・ビジョンでは「難民支援のための募金」で、紛争から避難する人々へ緊急支援物資の提供や、子どもたちの生活や教育支援を実施しています。
また「チャイルド・スポンサーシップ」という募金プログラムもご案内しています。チャイルド・スポンサーシップは、月々4,500円、1日あたり150円の継続支援です。チャイルド・スポンサーになっていただいた方には、支援地域に住む子ども"チャイルド"をご紹介します。支援金はチャイルドやその家族に直接手渡されるものではなく、子どもの人生に変化をもたらすことを目指した様々な長期の支援活動に使われます。
支援地域がどのように発展し、チャイルドがそこでどのように成長しているかという支援の成果を、毎年お送りする「プログラム近況報告」とチャイルドの「成長報告」を通じて実感していただけます。
ボランティア活動の種類は、実に多様です。そしてどのようなボランティア活動も、社会的にとても重要な意味を持ちます。まずはご自身の生活スタイルや興味から、チャレンジしてみたいボランティアを検討してみてください。
またワールド・ビジョンの活動にご関心を持っていただけた場合は、ぜひチャイルド・スポンサーシップへのご協力をお願いいたします。私たちと一緒に、子どもたちの未来を紡ぐ活動を行っていきましょう。
注1 神戸市中央区社会福祉協議会:傾聴ボランティア養成講座を開催しました
注2 公益財団法人かながわ海岸美化財団:ビーチクリーンボランティア募集
注3 日本赤十字社:献血基準
注4 医学ボランティア会JCVN:JCVNの特長は?
注5 日本寄付財団:PEACE WALK
注6 こども食堂ネットワーク:こども食堂を応援してみませんか?
注7 復興庁:ボランティア活動への参加をお考えの皆様へ
※このコンテンツは、2022年7月の情報をもとに作成しています。